絵本「もりにいちばができる」「ぴかくんめをまわす」「月夜とめがね」を読んで

読んだ絵本紹介シリーズ。


「もりにいちばができる」(五味太郎 作)。森の動物たちが商売を始めて、小さな市場ができて、それがだんだん大きくなっていく。資本主義、市場経済ができていく縮図のようみ見えました。でも、それに警鐘を鳴らすとか、批判を加えるとか、そういう感じではなく、ただ、動物たちの営みを描写しているという感じで、それをどう捉えるかは読者次第。気持ちよく読めました。クマは魚、ウサギはいちご、それぞれの動物が自分の商品を市場に運んでいく絵がキュートでユーモラス。氷を運ぶペンギンがツボでした。



「ぴかくん めをまわす」(松居直 作、長新太 絵)。ぴかくんというのは、信号機です。青は進め、黄は待て、赤は止まれ…これを読んでいるうちに、信号の読み方が覚えられます。という教育的な面がありつつ、長新太さんのユーモラスな絵が教育っぽさを薄めている感じがしました。図書館で借りて読んだのですが、読み終わって背表紙の裏を見ると、寄贈者の名前が書かれていました。何度も読んで、信号の見方も覚えて、ストーリーも絵も覚えて、もう手元に置いておく必要がなくなった方が寄贈してくれたのだと想像しました。




「月夜とめがね」(小川未明 作、高橋和枝 絵)。美しい文章と絵、見事なコラボレーションだと感じました。音読して気持ちのいい、音楽のような文章。寝る前に読むときれいな夢が見れそうです。