レーズンと小麦粉があれば、家で簡単にパンが焼ける。
瓶に水とレーズンを入れ、フタを軽く締めて置いておくだけで、天然酵母ができる。ハチミツなど甘いものを入れておくと、酵母のエサになって発酵が促進される。冬の寒いときは、ストーブの前など、あたたかい場所に置いておくと発酵しやすい。
最初はレーズンが水に沈んでいるが、水面に浮いてきて、フタを開けたときにシュワっとしてきたら出来上がり。
小麦粉に塩を少々加え、少しずつこの酵母液を入れて練っていく。このときにも甘みを入れると、その後の発酵が促進される。
こねているときに手にベタベタとくっついてきたら、酵母液の入れすぎ。そういうときは、小麦粉を少し足せば大丈夫。十分にこねた後は、そのまま一晩くらい寝かしておくと、膨らんでくる。
暖かい時期にはびっくりするほど大きく膨らむが、冬の寒い時期は、ちょっとしか膨らまないことがある。そんなときはもうしばらく待ってみるが、それでも、それ以上膨らみそうにないときは、ナンやピザにしていただく(丸っこいパンにすると、あまり膨らんでいないと硬くなるが、ナンやピザだとちょっと硬くても気にならない)。
びよーんと伸ばして、フライパン(及源鋳造の鉄のフライパンがお気に入り)を石油ストーブの上に乗せて焼くと、ちょうどいい火加減。
完成!
別の日に、りんごピザもつくった。
こちらは寝かせた後の生地。
平たく延ばし、薄切りにしたりんごを乗せ、シナモンパウダーをかけるだけ。またまたストーブの出番。
レーズン酵母のりんごピザも、クセになる美味しさ。翌日用に、りんごの酸化防止で生地に包んで焼いてみたら、それも成功だった。
自家製酵母でパンを焼くと、その時々の室温や、レーズンなどの酵母の元となるものの種類(りんごや柿、甘酒など、いろんなものから酵母をおこせる)や状態、手に棲んでいる菌などによって、毎回違った味になるのも面白い。
よく膨らんだらふっくらとしたパンにできるし、あまり膨らまなかったら今回のように薄べったく焼けば問題なし。
酵母は待ってくれない。しゅわしゅわしてきたら、すぐにパンにしないと、発酵が進んで酸っぱくなってお酢に近づいてしまう。人間の都合で菌を操作するのではなく、自然の状態で生きている菌にこちらが合わせるのがまた面白い。
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by 硲 允(about me)
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