非電化工房の「非電化籾摺機II」でお米の籾摺り。お米づくりの最後の難関を突破


非電化工房の「非電化籾摺機II」を購入した。育てた稲の脱穀は千歯扱きでどうにかなるが、籾摺り(籾からもみ殻を外して玄米にすること)は手作業で行うとお米3合に丸1日くらいかかったことがあり、降参して近所のお米屋さんにお願いしていた。

いつまでもお米屋さんに頼るわけにはいかないので、家で籾摺りまでできるようになりたいと思っていたが、本格的な籾摺機は、10万円近くするし、置き場所にも困る。非電化籾摺機なら、時間はかかりそうだけど、手作業のようにお米を食べるだけで一日が終わる、ということはなさそうなので、思い切って購入。


なるべくきれいにした籾(藁くずや籾から伸びた枝梗 [しこう]を取り除いておかないと詰まりやすくなる)を上から投入。

レバーをぐるぐると回す。


風で飛ばされた籾殻が、うしろのネットにたまる。


1回でこれくらい。まだ、もみ殻がついたのや、風で飛ばされなかった籾殻が残っている。

これをもう一度上から投入し、再度レバーを回して籾摺り。


2回通すと、籾殻がだいぶ飛んで、容量が減った感じがする。4~5回通すと、ほとんどの籾殻が外れ、飛ばされずに残った籾殻も少しになる。

ふるいに移し、左右に振ると、お米と籾殻が分かれ、残った籾殻を除きやすくなる。


ふるいはネットで調べたところ、普通、1.85~1.9mmくらいのものを使用するようだが、ホームセンターで見つからなかったので、2mmの目のものを使用。

振るだけでは余程小さなくず米しか落ちないが、手で撫でるようにすると、けっこう落ちる。2mmだと、美味しく食べられそうなお米まで落とさないように注意する必要がある。

サイズは大きくても実の入っていない籾や、成長不良で硬くてお腹に負担をかけそうなお米は目で確認して、一つずつ指でつまんで取り除いていく。

選別を終えたお米はこんな様子。


非電化籾摺機を使った籾摺りと、ふるいでの選別を合わせて、3合で1時間半くらいかかった(初めてだったので、慣れればもう少し早まりそうな気はする)。急いでいるときは買ったお米を食べ、時間に余裕のあるときに籾摺りして自家米を食べようと思った。

お米づくりを始めた2014年、どうやって食べるかまで考えていなくて、脱穀も籾摺りもできず、とりあえず穂先だけ刈り取って何袋もの紙袋にストックしてある。お米は育てるのは何とかなっても、そこから食べるまでがまたひと苦労。農家ではなく自給用にお米づくりを始めた友人たちも、足踏み脱穀機や唐箕を手に入れて脱穀までは自分でできても、籾摺りは籾摺り機を持っている人にやってもらっている、という話をよく聞く。頼れる人が身近にいればいいが、自分でなんとかしなければいけないときに、「非電化籾摺機」はずいぶん頼りになる存在だと思う。時間はそれなりにかかるけれど、場所はとらないし、うるさい機械音もしないし、手作業の喜びがある。


ようやく籾摺りを終えたお米。家庭用精米機を使い、7分づきで食べることに。

7分づきで精米を終えたが、まだちょっと皮が硬そうだったので、少し追加精米。


半日水に浸し、土鍋で炊いた。


1年間苦労して育てたお米を初めて食べるときは、ワクワクする。甘みがあり、ミルキーな風味(ちなみに品種は、自然農法を提唱した福岡正信さんが開発された「ハッピーヒル」)。道具のお世話になりつつも、全行程を家でして食べられるお米になると、感慨が違う。「こんなふうにして育てて食べたら、お米を一粒も残せんようになるなぁ」と相方に言うと、「買ったお米でも残さんやん!」とのつっこみ。昔は米粒を平気で残していたが、いつの間にかそうなった。

それにしても、お米というのは一粒が小さいので食べるのが大変な主食だなぁと思う。その手間を考えると、芋のほうが簡単でいいのではないかと思えてくることもあるけれど、やっぱりお米は美味しい。


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by 硲 允(about me)
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