蕎麦打ちはだいぶできるようになってきたので、今度は手打ちうどんにチャレンジ。
せっかく「うどん県」とも言われる香川との御縁があったので、うどんを自分で打てるように前から思っていた。何度かやってみて、麺がくっついて大失敗したことがあり、その後、なかなかやる気にならなかったが、蕎麦打ちで自信を付けて、再チャレンジ。
小麦粉は、香川産の「さぬきの夢」を使用(「さぬきの夢」は、うどん用に適した小麦粉を追求して、香川県農業試験場で開発された)。「さぬきうどん」と言っても、香川のほとんどのうどん屋さんではオーストラリアの小麦粉(ASW)を使用している。ASWで打ったうどんのほうが弾力はあるが、ぼくは「さぬきの夢」のほうが好き。できれば無農薬の小麦粉で打ちたいが、無農薬の「さぬきの夢」が市販されているのは見たことがない。まずはうどん屋さんが使っているのと同じ小麦粉で練習しようと思い、石臼挽きの「さぬきの夢」で打つことに。
近所の図書館で借りてきた。さすがは香川の図書館で、うどん関連の本がたくさんあった。
本では10人分の量で書かれていたが、2人分で計算して、
小麦粉に少しずつ塩水を加えながら、手でかき混ぜる。だまになったところをほぐしていく。
だいぶまとまってきた。水分量は本に書かれた通りでちょうどよさそう(季節や小麦粉の種類などによって変わってくるので、様子を見て調整する必要がある)。
いい感じにまとまった。見た目がちょっとぼそぼそしているくらいがいいらしい。前回、失敗したときは水の入れすぎだった。生地が手にくっつくくらいまで水を入れると必ず失敗する(そういうときは小麦粉を足して調整する)。
さぬきうどんの場合、普通、ここからビニールをかけて足で踏んでいくのだけど、ビニールは使いたくないし(ビニールに使われた化学物質が小麦粉に付着しそう)、足で踏むのも気が進まず(足の裏は毒素を出す場所だという話もある)、どうしようかと相方と相談していると、「逆立ちしたらいいんじゃない?」と相方が提案。それは名案だけど、逆立ちができない…。腕立てでもいいんじゃないか、という話になり、とにかく自分の全体重を乗せればいいわけだから、腕立て伏せのような態勢で、体重を乗せて手で延ばすことにした。
やってみると、2人分ならこれで十分! 大量につくるときは、これではかなり重労働で、お店でやるとしたら割に合わなさそうなので、どうして足で踏み始めたのかはよくわかった。
ゲンコツでもやりやすい。中央から外側へと、ゲンコツで延ばしていく。
延ばして折りたたんで、延ばして折りたたんで、を3回繰り返す。
丸くまとめた後、中心部を外に押し出し、ふちを巻き込んでいく「菊揉み」にもチャレンジ。
それらしくなった。
ヘソの部分を突起させ、ねじって密着させる。
ヘソを下にして台(まな板)に押し付け、丸くまとめる。
ラップと布巾をかけて寝かせておいた。寝かせる時間は、本によると30分~1時間ということで、45分ほど寝かせた。
寝かせている間に、庭でネギを収穫。
寝かせ終わった生地をまた延ばしていく(通常は足踏み)。台(まな板)に打ち粉を振っておく。家庭用のまな板を台にする場合、2人分でも一度に生地を延ばすスペースがないので、3回分に分けた。
7mmくらいの厚さまで延ばしたら、そこから麺棒で(この時点で、生地にも打ち粉を振った)。麺棒で延ばすのがどうも上手くいかないと思ったら、まな板の中心が凹んできているのが原因だとようやく気付いた。平らな台や板の上で延ばすのが大事…。
蕎麦のときはしなかったが、麺棒に生地を巻き付け、両手で押し出して延ばしていく。生地を麺棒に巻いたままの状態で延ばしていくのは讃岐独特の技法らしく、「すかし打ち」という名前が付いている。麺棒を前に押し出して延ばした後、瞬時に持ち上げて手前に戻し、これを繰り返していく。本で見ると、かなり練習しないと無理だと思ったが、案外それらしくできた。うどんだからできることで、蕎麦でやったら生地が切れてしまいそうだと思った。
厚さ3~4mmくらいまで延ばしたら、打ち粉を振りながら屏風折りにしていく(上になるにつれて幅を狭くする)。
包丁で3mmくらいの幅に切っていく。
一般的なうどんよりも短めだけど、美味しそうにできた。
沸騰させたたっぷりのお湯で、12分ほど茹でる。
本には書かれていないが、蕎麦のときと同じように、浮いてきたアク(打ち粉)をおたまで取り除いた。
ちょうど12分で、いい感じに茹で上がった。水で冷やさず、茹でたお湯に入れたまま「釜揚げ」で。
まずは醤油とネギだけの「生醤油うどん」。うどん屋で食べるほどの弾力性はないが、自然なコシで予想以上の仕上がりに!
つくったばかりのニンニク醤油もよく合う。
昆布とみりん、醤油、塩だけでつくった出汁で。うどん屋さんの出汁には普通、砂糖が入っていてぼくは食べられないので、いつも「ざるうどん」に塩をかけて食べているが、久しぶりに出汁であったかいうどんが食べられてよかった。
つるっとした麺。蕎麦で特訓した甲斐があり、うどんも予想以上にうどんらしい仕上がりになった。「誰かにつくってもらうもの」「店で食べるもの」と思っているものを、自分でつくれるようになるのはやっぱり楽しい。
「讃岐うどん」に慣れている方には、「コシ」がもの足りないと感じるだろうと思ったけれど、ぼくが生まれ育った和歌山で食べなれたのはこんなうどん。
讃岐うどんのようなコシや弾力をもっと出す方法も研究したい。うどん修行はつづく…。
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by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
せっかく「うどん県」とも言われる香川との御縁があったので、うどんを自分で打てるように前から思っていた。何度かやってみて、麺がくっついて大失敗したことがあり、その後、なかなかやる気にならなかったが、蕎麦打ちで自信を付けて、再チャレンジ。
小麦粉は、香川産の「さぬきの夢」を使用(「さぬきの夢」は、うどん用に適した小麦粉を追求して、香川県農業試験場で開発された)。「さぬきうどん」と言っても、香川のほとんどのうどん屋さんではオーストラリアの小麦粉(ASW)を使用している。ASWで打ったうどんのほうが弾力はあるが、ぼくは「さぬきの夢」のほうが好き。できれば無農薬の小麦粉で打ちたいが、無農薬の「さぬきの夢」が市販されているのは見たことがない。まずはうどん屋さんが使っているのと同じ小麦粉で練習しようと思い、石臼挽きの「さぬきの夢」で打つことに。
近所の図書館で借りてきた。さすがは香川の図書館で、うどん関連の本がたくさんあった。
本では10人分の量で書かれていたが、2人分で計算して、
- 小麦粉(中力粉) 200g
- 塩 8g
- 水 92cc
- 打ち粉 適量
を準備。
蕎麦の場合、最近は水の量を量らずに様子を見ながら加えていくが、うどんの場合、あらかじめ水に塩を溶かしておく必要があるので、水の分量も量る。
小麦粉に少しずつ塩水を加えながら、手でかき混ぜる。だまになったところをほぐしていく。
だいぶまとまってきた。水分量は本に書かれた通りでちょうどよさそう(季節や小麦粉の種類などによって変わってくるので、様子を見て調整する必要がある)。
いい感じにまとまった。見た目がちょっとぼそぼそしているくらいがいいらしい。前回、失敗したときは水の入れすぎだった。生地が手にくっつくくらいまで水を入れると必ず失敗する(そういうときは小麦粉を足して調整する)。
さぬきうどんの場合、普通、ここからビニールをかけて足で踏んでいくのだけど、ビニールは使いたくないし(ビニールに使われた化学物質が小麦粉に付着しそう)、足で踏むのも気が進まず(足の裏は毒素を出す場所だという話もある)、どうしようかと相方と相談していると、「逆立ちしたらいいんじゃない?」と相方が提案。それは名案だけど、逆立ちができない…。腕立てでもいいんじゃないか、という話になり、とにかく自分の全体重を乗せればいいわけだから、腕立て伏せのような態勢で、体重を乗せて手で延ばすことにした。
やってみると、2人分ならこれで十分! 大量につくるときは、これではかなり重労働で、お店でやるとしたら割に合わなさそうなので、どうして足で踏み始めたのかはよくわかった。
ゲンコツでもやりやすい。中央から外側へと、ゲンコツで延ばしていく。
延ばして折りたたんで、延ばして折りたたんで、を3回繰り返す。
丸くまとめた後、中心部を外に押し出し、ふちを巻き込んでいく「菊揉み」にもチャレンジ。
それらしくなった。
ヘソの部分を突起させ、ねじって密着させる。
ヘソを下にして台(まな板)に押し付け、丸くまとめる。
ラップと布巾をかけて寝かせておいた。寝かせる時間は、本によると30分~1時間ということで、45分ほど寝かせた。
寝かせている間に、庭でネギを収穫。
寝かせ終わった生地をまた延ばしていく(通常は足踏み)。台(まな板)に打ち粉を振っておく。家庭用のまな板を台にする場合、2人分でも一度に生地を延ばすスペースがないので、3回分に分けた。
7mmくらいの厚さまで延ばしたら、そこから麺棒で(この時点で、生地にも打ち粉を振った)。麺棒で延ばすのがどうも上手くいかないと思ったら、まな板の中心が凹んできているのが原因だとようやく気付いた。平らな台や板の上で延ばすのが大事…。
蕎麦のときはしなかったが、麺棒に生地を巻き付け、両手で押し出して延ばしていく。生地を麺棒に巻いたままの状態で延ばしていくのは讃岐独特の技法らしく、「すかし打ち」という名前が付いている。麺棒を前に押し出して延ばした後、瞬時に持ち上げて手前に戻し、これを繰り返していく。本で見ると、かなり練習しないと無理だと思ったが、案外それらしくできた。うどんだからできることで、蕎麦でやったら生地が切れてしまいそうだと思った。
厚さ3~4mmくらいまで延ばしたら、打ち粉を振りながら屏風折りにしていく(上になるにつれて幅を狭くする)。
包丁で3mmくらいの幅に切っていく。
一般的なうどんよりも短めだけど、美味しそうにできた。
沸騰させたたっぷりのお湯で、12分ほど茹でる。
本には書かれていないが、蕎麦のときと同じように、浮いてきたアク(打ち粉)をおたまで取り除いた。
ちょうど12分で、いい感じに茹で上がった。水で冷やさず、茹でたお湯に入れたまま「釜揚げ」で。
まずは醤油とネギだけの「生醤油うどん」。うどん屋で食べるほどの弾力性はないが、自然なコシで予想以上の仕上がりに!
つくったばかりのニンニク醤油もよく合う。
昆布とみりん、醤油、塩だけでつくった出汁で。うどん屋さんの出汁には普通、砂糖が入っていてぼくは食べられないので、いつも「ざるうどん」に塩をかけて食べているが、久しぶりに出汁であったかいうどんが食べられてよかった。
つるっとした麺。蕎麦で特訓した甲斐があり、うどんも予想以上にうどんらしい仕上がりになった。「誰かにつくってもらうもの」「店で食べるもの」と思っているものを、自分でつくれるようになるのはやっぱり楽しい。
「讃岐うどん」に慣れている方には、「コシ」がもの足りないと感じるだろうと思ったけれど、ぼくが生まれ育った和歌山で食べなれたのはこんなうどん。
讃岐うどんのようなコシや弾力をもっと出す方法も研究したい。うどん修行はつづく…。
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by 硲 允(about me)
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