技術は自分の必要に応じて身につけていくのがいい、と思う。
この頃、絵が面白くなってよく描いているけど、技法書のようなものは読まないようにしている。自分の好きに描くのが面白い。行き詰まる、というか、自分のパターンの中にはまって面白みが薄れてきたようなときに、誰かが描いた絵を見ると、いろんなヒントをいただける。それは他人から教わっていることに違いないけれど、技法書のようなものを見るよりも今の自分に必要なものを取り入れやすいように思う。
技術を追求し、技術を高めていくこと自体の中にも喜びはあるけれど、その路線で行きすぎると、その技術を使って何をしたいのかを見失ってしまいやすい。自分が何を表現したいのか、何をもたらしたいのか、どういう気持ちを感じたいのか…そういうことを見失ってしまうと、せっかく磨いた技術もどう使えばいいのかわからなくなってしまう。
自分にしっくりくる表現、というのは、技術を追求する路線とは一致しない。技術を高める努力に時間をかけなくても、いきなり自分のしっくりくる表現に出会える場合もあるように思う。そういうものは自分に向いているものであることが多いかもしれない。
