電子レンジ、オーブン、電気ケトル、ヘアドライヤーなどの小型電化製品がさまざまな形で環境に害を与えているとの研究結果が「Science of the Total Environment」という学術誌に掲載されたという記事を読んだ。
EUで使用されている電子レンジの数は1億3,000万台に上り、電子レンジで使用される電力によって毎年770万トンの二酸化炭素が排出されているらしい(自動車約800万台の年間排出量に匹敵)。こうやって数値を示されると、その膨大さがよくわかる。
電気でお湯を沸かすのは、チェーンソーでバターを切るくらい効率がわるい、というたとえを聞いたことがある。上で挙げられた小型家電は、いずれも熱を起こす家電。これらは特に電気を消費するのだろう。
うちでは少しずつ電化製品を減らしてきて、今では、電子レンジもオーブンも、電気ケトルもヘアドライヤーも使っていない。
電子レンジは電磁波による身体への影響も心配だし、食べものをマイクロ波で温めるというのは、どうも気持ちよくない。電子レンジで温めた飲みものに手をかざすと、ビリビリとして飲み物が電気を帯びているのがわかる。それに、電子レンジで温めると、火力で温めるよりもすぐに冷めてしまうし、身体が芯から温まる感じがしない。
東京のアパート暮らしのときは電子レンジのお世話になっていたが、香川に来てから使わなくなった。ご飯は炊きたて以外のときは、温めずにそのまま食べる。最初のうち、寒い時期は慣れなかったが、今では当たり前になった。電子レンジで温めなくても、口に入れてよく噛んでいるうちに温まるし、1日に1回、炊きたての温かいご飯を食べる喜びが前によりも感じられるようになった。寒すぎてさすがに冷や飯は…というときは、蒸し器でお茶碗ごと温めることもできる(お茶碗にご飯がくっついてしまうのが難点)。スープはさすがにガス(カセットコンロ)やストーブの上で温めている。
オーブンの代わりに、鋳物のフライパンが活躍してくれることが多い。自家製パンもスコーンも、フライパンで焼ける。
電気ケトルがあれば簡単にお湯が沸かせるので、東京のアパート暮らしでは毎日何回も沸かしていたが、プラスチックの容器内で高温のお湯を沸かすのはあまり気持ちのいいものではない。ヤカンで沸かしたほうがやっぱり美味しいし、エネルギー効率もいいはず。電気ケトルで沸かすよりもちょっと面倒だけど、家にいるときはそれくらいの運動をしたほうがいい。
日本の田舎では、手入れされずに伸び放題で困っている竹やぶがあちこちにある。荒れた竹やぶでは、年老いた竹が枯れて倒れ始める。枯れて乾燥した竹はよく燃えて、火力が強く、料理にぴったり。枯れた竹が数本あれば、ご飯とスープを炊いてお湯を沸かし、スコーンや焼きミカンをつくって暖も取れる。竹やぶの手入れにもなる。これほど効率的な燃料はなかなか見当たらない。いつも竹を伐り出していた竹やぶがだいぶ整理されてきて、そのうち燃料にする竹が不足してしまいそうだと思っていたところ、先日、近所の農家さんが、他の竹藪から伐らせてもらえるように話をつけておくと言ってくれていた。
枯竹で料理するのは、時間がかかるように見えて、慣れると、竹の火力はかなり強いので、ガスよりも早くご飯が炊ける(気を付けないとあっという間に炊けすぎて硬くなってしまう)。伐り出してくる時間はかかるけれど、一度にたくさん火にかけられるのもいい。
何より、こうやって火で料理したほうが美味しいし、楽しいし、満足感がある。環境への負荷を減らすために苦行をしているわけではなく、この心地よさを体験すると、家電製品には戻れなくなる。
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by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
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電気でお湯を沸かすのは、チェーンソーでバターを切るくらい効率がわるい、というたとえを聞いたことがある。上で挙げられた小型家電は、いずれも熱を起こす家電。これらは特に電気を消費するのだろう。
うちでは少しずつ電化製品を減らしてきて、今では、電子レンジもオーブンも、電気ケトルもヘアドライヤーも使っていない。
電子レンジは電磁波による身体への影響も心配だし、食べものをマイクロ波で温めるというのは、どうも気持ちよくない。電子レンジで温めた飲みものに手をかざすと、ビリビリとして飲み物が電気を帯びているのがわかる。それに、電子レンジで温めると、火力で温めるよりもすぐに冷めてしまうし、身体が芯から温まる感じがしない。
東京のアパート暮らしのときは電子レンジのお世話になっていたが、香川に来てから使わなくなった。ご飯は炊きたて以外のときは、温めずにそのまま食べる。最初のうち、寒い時期は慣れなかったが、今では当たり前になった。電子レンジで温めなくても、口に入れてよく噛んでいるうちに温まるし、1日に1回、炊きたての温かいご飯を食べる喜びが前によりも感じられるようになった。寒すぎてさすがに冷や飯は…というときは、蒸し器でお茶碗ごと温めることもできる(お茶碗にご飯がくっついてしまうのが難点)。スープはさすがにガス(カセットコンロ)やストーブの上で温めている。
オーブンの代わりに、鋳物のフライパンが活躍してくれることが多い。自家製パンもスコーンも、フライパンで焼ける。
電気ケトルがあれば簡単にお湯が沸かせるので、東京のアパート暮らしでは毎日何回も沸かしていたが、プラスチックの容器内で高温のお湯を沸かすのはあまり気持ちのいいものではない。ヤカンで沸かしたほうがやっぱり美味しいし、エネルギー効率もいいはず。電気ケトルで沸かすよりもちょっと面倒だけど、家にいるときはそれくらいの運動をしたほうがいい。
日本の田舎では、手入れされずに伸び放題で困っている竹やぶがあちこちにある。荒れた竹やぶでは、年老いた竹が枯れて倒れ始める。枯れて乾燥した竹はよく燃えて、火力が強く、料理にぴったり。枯れた竹が数本あれば、ご飯とスープを炊いてお湯を沸かし、スコーンや焼きミカンをつくって暖も取れる。竹やぶの手入れにもなる。これほど効率的な燃料はなかなか見当たらない。いつも竹を伐り出していた竹やぶがだいぶ整理されてきて、そのうち燃料にする竹が不足してしまいそうだと思っていたところ、先日、近所の農家さんが、他の竹藪から伐らせてもらえるように話をつけておくと言ってくれていた。
枯竹で料理するのは、時間がかかるように見えて、慣れると、竹の火力はかなり強いので、ガスよりも早くご飯が炊ける(気を付けないとあっという間に炊けすぎて硬くなってしまう)。伐り出してくる時間はかかるけれど、一度にたくさん火にかけられるのもいい。
何より、こうやって火で料理したほうが美味しいし、楽しいし、満足感がある。環境への負荷を減らすために苦行をしているわけではなく、この心地よさを体験すると、家電製品には戻れなくなる。
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