こちらのかごは、ドングリランドで開催された「つるかご作り」教室に取材に行ったとき、ぼくも教えていただきながらつくった作品。
前々からつくってみたいと思っていた、つるかご。自分一人ではなかなか始められずにいたけれど、こういう手仕事というのは、直接教わるとやっぱり早い。編み始めのところさえ教われば、案外あとは簡単で、自由に形づくっていけることがわかった。
後日、つくり方を忘れないうちに、家で復習した。庭木に巻き付いたつるを集めるところから。
つるを集めるのは秋ごろがいいらしく、今時分は、カピカピに乾燥してすぐに折れてしまったり、カビが生えているものが多く、よさそうな蔓を集めるのにけっこう時間がかかる。
つくり方は、まず、「骨」となる3本×4本を交差させる。4本のうち一本は、半分くらいの長さにして、中央付近から片側にだけ伸ばす。
次に、長い蔓を時計回りに巻き付けていく。骨を上下しながら巻き付けていくのだが、最初は3本(4本)ずつ上下し、一周した後から2本ずつ上下、そのうち1本ずつ上下に交差しながら巻き付けていく。
言葉で説明されると難しそうだけど、とにかく手を動かしてやってみるとわかってくる。
好みの形に合わせて、途中で骨を立ち上げる。
ゴミ箱をつくるつもりが、だんだん、違うものになってきた。それが自然素材の面白いところで、こっちが何かをつくろうと意図しても、素材がそれに向いていなければ「それは違うやろ?」と素材が勝手に動き出して違うものになっていく。
最後に残った骨をアーチ状に差し込んで、完成!
ゴミ箱にしては大きすぎるし、口が広すぎる。
何に使うのがいいだろうと考えたところ、ジャガイモをゴロゴロと入れるのによさそうだと思い付いた。
最初に書き忘れていたけれど、この素材は葛(くず)。畑では厄介者扱いされがちな葛だけど、こんなに立派で力強いかごに生まれ変わった。太い蔓で編んだかごは、芋が妙にマッチする。人参や大根など、根菜類を泥付きのまま入れておくのにもよさそう。竹の繊細なかごには泥付きの野菜を入れるのがためらわれるが、これなら心置きなく大胆に使える。
ちょっと違った形のものもつくってみたくなり、もう一作品つくった。
これも何となく編んでいたら、自然とこんな形になった。
中に瓶を入れ、花活けにした。ちょうど剪定したばかりのモクレンの枝があった。
つる編みを覚えると、あちこちの竹藪や放置された場所にはびこる蔓がお宝に見えてくる。「蔓延る(はびこる)」という感じに「蔓(つる)」の文字が入っていることに今気づいた。
ツル細工、もっと自由にできるようになりたくて、本も買ってきた。
自然素材の編みかごづくり―草やつる、枝などで編む、ナチュラルな44のかご(佐々木 麗子 著)
こちらの本、センスのいい作品がたくさん載っていて、説明もわかりやすそうでおすすめ。
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by 硲 允(about me)
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