今日は中華麺について。
先日、高松の春日水神市場で買ってきた中華そば。最近、そばやうどんを打つようになり、中華そばも自分でつくってみたくなってきた。原材料に何が使われているのだろうと思って見てみると、「小麦粉(北海道産)、食用油、塩、小麦たんぱく、卵殻焼成カルシウム、クチナシ色素」と書かれている。中華そばと言えば、普通は「かんすい」を使うと思うが、これには使われていない。「無かんすい」を銘打った商品があるくらいで、「かんすい」は何か問題があるのだろうと思っていたが、よく分からなかったので調べてみた。
日本で使われるかんすいはたいてい、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどを主成分とする化学合成物質で、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどのリン酸系の物質を含む場合もあるらしい。このリン酸が、カルシウムの吸収を阻害すると言われている。いずれにしても、自然界ではそのまま存在しない物質を身体に入れることになる。
モンゴルでは天然のかんすいが採掘できるらしく、「蒙古王かんすい」という商品が販売されている。
蒙古王かんすい 500g
アルカリ性が強く、商品説明には、「皮膚や目などに触れた場合は、速やかに洗い流して異常がある時は専門医の診察を受けて下さい」と書かれている。天然のものとはいえ、なかなかの劇物。しかし、このアルカリ性が、中華麺を中華麺たらしめるらしく、小麦粉のグルテンがアルカリ性の物質と出会うことで収れんして麺がちぢれたり、弾力やコシなどを出すという。中華麺が黄色いのはなぜだろうと不思議に思っていたが、小麦粉に含まれる「フラボノイド系色素」と呼ばれるものが、かんすいのアルカリ性と反応してあの色になるらしい。
冒頭に写真を載せた中華麺は、かんすいの代わりに「卵殻焼成カルシウム」というものを使用している。これはおそらく、かんすいのように小麦粉のフラボノイド系色素と反応しないためにクチナシ色素を加えているのだろう。
「卵殻焼成カルシウム」なら、モンゴルまで行かなくても、「卵殻」というくらいだから自分でもつくれるかもしれないと思って調べてみると、卵の殻を洗って乾燥させてフードプロセッサーやすり鉢で粉状にすれば「卵殻カルシウムパウダー」ができるという記事が見つかった。ただし、これは「焼成」しておらず、「卵殻焼成カルシウム」にするための詳しい情報は見当たらないが、どうやらずいぶん高温で焼く必要があるとの情報が出てきた。卵の殻という身近な材料でつくれるならいいなと思ったが、なかなか大変そうだ。
他にかんすいの代わりになるものはないだろうかと調べてみると、Wikipediaに、かん水類似物質として灰汁 (はいじる、あく)が挙げられていた。沖縄そばでは、伝統的にかんすいではなく灰汁が使われてきて、灰汁を使ったそばは「木灰(もっかい)そば」と呼ばれるらしい。何の灰を使うのか気になって調べてみると、ガジュマルやアカギの灰汁を使うことが多いらしい。これらの灰汁はph値が高いようで、ph値が高い植物なら他のものでもいいと思うが、どんな植物の灰を使うかによってそばの風味は違ってくるという話もあった。また、重金属を吸収してため込みやすい植物もあるので、注意が必要かもしれない。
他には、かんすいの代わりに重曹と卵を使うという方法もあるらしい。
中華麺づくりは、うどんや蕎麦と違って、材料選びの段階でずいぶんややこしくなってきた。ひとまず、うどんと蕎麦の特訓を続けつつ、そのうち暇ができたら…
【関連記事】
by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
instagram(@makoto.hazama)
先日、高松の春日水神市場で買ってきた中華そば。最近、そばやうどんを打つようになり、中華そばも自分でつくってみたくなってきた。原材料に何が使われているのだろうと思って見てみると、「小麦粉(北海道産)、食用油、塩、小麦たんぱく、卵殻焼成カルシウム、クチナシ色素」と書かれている。中華そばと言えば、普通は「かんすい」を使うと思うが、これには使われていない。「無かんすい」を銘打った商品があるくらいで、「かんすい」は何か問題があるのだろうと思っていたが、よく分からなかったので調べてみた。
日本で使われるかんすいはたいてい、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどを主成分とする化学合成物質で、リン酸ナトリウムやリン酸カリウムなどのリン酸系の物質を含む場合もあるらしい。このリン酸が、カルシウムの吸収を阻害すると言われている。いずれにしても、自然界ではそのまま存在しない物質を身体に入れることになる。
モンゴルでは天然のかんすいが採掘できるらしく、「蒙古王かんすい」という商品が販売されている。
蒙古王かんすい 500g
アルカリ性が強く、商品説明には、「皮膚や目などに触れた場合は、速やかに洗い流して異常がある時は専門医の診察を受けて下さい」と書かれている。天然のものとはいえ、なかなかの劇物。しかし、このアルカリ性が、中華麺を中華麺たらしめるらしく、小麦粉のグルテンがアルカリ性の物質と出会うことで収れんして麺がちぢれたり、弾力やコシなどを出すという。中華麺が黄色いのはなぜだろうと不思議に思っていたが、小麦粉に含まれる「フラボノイド系色素」と呼ばれるものが、かんすいのアルカリ性と反応してあの色になるらしい。
冒頭に写真を載せた中華麺は、かんすいの代わりに「卵殻焼成カルシウム」というものを使用している。これはおそらく、かんすいのように小麦粉のフラボノイド系色素と反応しないためにクチナシ色素を加えているのだろう。
「卵殻焼成カルシウム」なら、モンゴルまで行かなくても、「卵殻」というくらいだから自分でもつくれるかもしれないと思って調べてみると、卵の殻を洗って乾燥させてフードプロセッサーやすり鉢で粉状にすれば「卵殻カルシウムパウダー」ができるという記事が見つかった。ただし、これは「焼成」しておらず、「卵殻焼成カルシウム」にするための詳しい情報は見当たらないが、どうやらずいぶん高温で焼く必要があるとの情報が出てきた。卵の殻という身近な材料でつくれるならいいなと思ったが、なかなか大変そうだ。
他にかんすいの代わりになるものはないだろうかと調べてみると、Wikipediaに、かん水類似物質として灰汁 (はいじる、あく)が挙げられていた。沖縄そばでは、伝統的にかんすいではなく灰汁が使われてきて、灰汁を使ったそばは「木灰(もっかい)そば」と呼ばれるらしい。何の灰を使うのか気になって調べてみると、ガジュマルやアカギの灰汁を使うことが多いらしい。これらの灰汁はph値が高いようで、ph値が高い植物なら他のものでもいいと思うが、どんな植物の灰を使うかによってそばの風味は違ってくるという話もあった。また、重金属を吸収してため込みやすい植物もあるので、注意が必要かもしれない。
他には、かんすいの代わりに重曹と卵を使うという方法もあるらしい。
中華麺づくりは、うどんや蕎麦と違って、材料選びの段階でずいぶんややこしくなってきた。ひとまず、うどんと蕎麦の特訓を続けつつ、そのうち暇ができたら…
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