「魔法のザラザラ下じき」と筆圧と悪癖

時々行く文具店で、「Bun2(ブンツウ)」という文具のフリーマガジンをもらってきた。それを見ていると、「魔法のザラザラ下じき」という商品の広告が載っていて、なんだろう?と思った。

「こんな子どもたちにおすすめ」ということで、どんな子どもたちかと言うと、「ツルツルすべる」「ビューンはやい」「フワフワ弱筆圧」「ガチガチ強筆圧」…これを見た相方は、ぼくのことだと言い、言われてみると、ぼくはビューンはやくて、強筆圧。ところが、この下敷きを使って書くと、指先にザラザラ感が伝わり、頭でイメージした文字と手の動きが一致して上手に書ける、と宣伝されていた。

そういえば、学生の頃、ツルツルの下敷きを敷いて書くのは好きじゃなかった。かと言って、下敷きなしで書いて下のページに鉛筆の跡がつくのも嫌だった。結局、ツルツル下敷きを使っていた。

そういえば、小学校に入学したばかりの頃、先生から、強い筆圧で書くように指導された。ふにゃふにゃの文字より、強くしっかり書けたほうがいいのだろうと思い、素直に従った。だけど、ぼくの場合、強く書きすぎていたように思う。必要以上に文字を強く書くクセがついたために、何をするにも、指先に力を入れすぎるクセがついたのかもしれない。縫い物をするにも、絵を描くにも、指先に力を入れすぎて指を痛めてしまうことがよくある。

そういえば、小学校の頃、硬筆で作品を書くときには、ゴムのような柔らかい素材の分厚い下敷きを使い、そこに食い込むように力を入れて5Bか6Bの鉛筆でゴリゴリしたのを思い出した。筆圧が強くて字が濃いほうが賞を獲りやすいらしかった。今思うと、字で競う、というコンセプト自体、逃れたい類のものだけど、当時はなんの疑問ももたずにそのゲームに参入していた。そして、無駄に力む悪癖を身につけた。

力みは無用。何をするにしても、必要最小限の力のほうが上手くいきやすいように思う。

気づいたら、いつからでも遅くない。できれば生きている間にいろいろ気づいておきたい。