練り消しの話

子どもの頃にちょっとだけ使った練り消しというものを思い出した。

果物とかコーラとか、甘い匂いのついたものを使っていた。あの匂いは、あまり好きではなかった。果物のニセモノの匂いは特に苦手で、その中でもとりわけ、イチゴのニセモノは嫌いで、おやつや何かでもイチゴの人工的な香料のものはなるべく避けていた。

練り消しは、普通の消しゴムのように、消しカスが出なくてなくならないのがいいのだろうか。いまいち練り消しの使い方がわかっていなかった。消したところの鉛筆の黒いのが練り消しの中に練り込まれて、だんだん練り消しが黒ずんでいく。雑巾のように洗うわけにもいかない。汚れた雑巾で拭き続けるような感じがして、ちょっと苦手だったけど、ねりねりするのはちょっと楽しかった。

ネットで検索すると、「墨汁屋さんのねりけし」というものが出てきた。


これなら最初から真っ黒だから、だんだん黒ずんでいく心配はないだろう。雑巾も黒い生地でつくれば汚れが気になりにくいかもしれない。とはいえ、どれだけ汚れているのかわかりにくいのも困るかもしれない。