ロケットえんぴつ

文具の思い出がいろいろよみがえってきた。

昔、ロケットえんぴつというのがあった。今もあるようだ。新しいもの好きのぼくは、これも一応試してみた。そして、気に入らなかった。

ロケットえんぴつを知らない方のために一応説明しておくと、鉛筆の先のような形状をしたものが筒の中に上下に並んでいて、ペン先が丸くなってきたら、その上に待機している次のペン先にバトンタッチできるようになっている。引退したペン先は、最後に待機している一番上のペン先の上から筒に押し入れる。

人によると思うけど、ぼくはペン先が丸くなってきたらすぐに交換したくなる。すると、あっという間に最後のペン先まで丸くしてしまい、最初に丸くしたペン先まで一巡することになる。中途半端に丸くなったペン先ばかりが残り、あとはどうしようもなくなる。もったいない感じがする。これなら、ペン先が丸くなってきたら削って何度も使える鉛筆のほうがよっぽどいいと思った。コンセプトとしてはちょっと面白いのだけど、いまいち、というかほとんど、鉛筆に比べてのメリットが感じられなかった。ペン先を削る手間は省けるのかもしれないけど、ペン先を入れ替えるのとほとんど変わらない時間で鉛筆の先を削れるような気もする。とはいえ、ぼくにはまだ発見できていない隠れたメリットがあるのかもしれない。あまり役立たないけど好きな人はとことん好き、という類の文具なのかもしれない。分解したり組み立てたりできる要素は、ブロックとか好きな子どもの遊び心をくすぐるかもしれない。授業中の暇つぶしにもなりそうだけど、すぐに先生に見つかって没収される危険性大だろう。