お互いハッピーになる人間関係はもっとあるはず!?


「お互いハッピーになる人間関係というのは潜在的にもっとあるのでは」とふと思った。

たとえば、家の近所にビニールハウスがあるとする。ビニールハウスの中の作物全体に手で水やりするのはけっこうな時間と労力がかかる。農家さんは、収穫に草刈りに種まきに出荷に、それ以外の仕事も山のようにあるのに、毎日水やりに時間がとられるのに困っていることもあるだろう。そこで、近所の人で時間に余裕のある人が、代わりに水やりして、そのお礼に出荷しきれずに余っている野菜や、出荷するには熟し過ぎている野菜などをもらう、という関係はどうだろう。農家さんは水やりの時間と手間が省け、どうせそのまま土に還るしかなかった野菜を食べてもらえ、水やりする方も、ちょうどいい運動になって新鮮な野菜ももらえて、お互いハッピー、という関係が築けるかもしれない。

「WWOOF(ウーフ)」という制度も、お互いハッピーな関係を上手くつくっている事例だと思った。このシステムに登録しているホストが世界中にいて、旅行者は、ホストの家に無料で宿泊させてもらい、食事も無料で提供してもらう代わりに、有機農業や酪農などの労力を提供する仕組みになっている。複数の人を同時に受け入れている場合、ホストは食事を旅行者につくってもらうこともできるようだ。宿泊する方は、お金をかけずに農業や酪農などを体験したり学んだりすることができ、また、お互いに、普段関わることのない文化やバックグラウンドをもった人とのコミュニケーションを楽しむことができる。

どこかのカフェかレストランでも、1時間働く代わりに食事や飲み物を提供してもらえる、というようなシステムを導入しているところがあると、前に何かで読んだことがある。好きな仕事をしてお金を得て、それをカフェで支払う、というのではなく、カフェの仕事をするよりもつまらなくて割のわるい仕事をしてお金を得ているのであれば、カフェで短時間働いて食事や飲み物を提供してもらえたほうがハッピーに違いない。

労働力を提供する代わりにサービスやモノの提供を受ける、というシステムはこれから増えていくのではないかと思う。お金の力によって、渋々働かされたり、誰かを渋々働かせるような世の中の仕組みには、そろそろみんなでサヨナラしたいものだと思う。


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by 硲 允(about me)