『ちいさなくらしのたねレシピ』(早川ユミ 著)を読んで、やる気アップ。

『ちいさなくらしのたねレシピ』(早川ユミ 著)という本を読みました。



早川ゆみさんは布作家であり、高知の山の棚田に果樹園や畑をつくり、いろんな手仕事をされながら暮らしています。

畑で野菜を育てたり、果樹園をつくったり、日本みつばちやにわとりを飼ったり、みそや梅干し、らっきょう漬けなどをつくったり、ちくちく縫って衣服やかばんやぞうきんをつくったり、わらしごとをしたり…。

暮らしのことをいろいろしていると、することがありすぎて疲れてきて、一つひとつをあまり楽しむ余裕がなくなってくることもありますが、時々こういう本を読むと、またやる気が復活してきます。

したいことが増えて、ますます大変になるというリスクもありますが(!)、したいことが多いのはいいことだ、ということにしておきましょう。

畑のお話のなかで気になったのは、かんぴょうです。

畑でつくらなければ、知ることがなかったかんぴょうという植物。ふくべそのものの花、収穫した実が、うつくしく、たましいをゆさぶるたべものだからです。(p.147)

かんぴょうは、「ふくべ」とも呼ばれるそうです。かんぴょうというと、お寿司などに入っている市販のものを食べたことがあるくらいで、かんぴょうが畑で育っているのを見たことがありませんが、そんなにうつくしいというかんぴょう、育ててみたいなぁと思いました。

市販の乾物のかんぴょうは、カビや虫や変色を防ぐために亜硫酸ガス(有害物質)で燻蒸して漂白しているらしく、手作りすると真っ白ではなく生成り色のかんぴょうができるそうです。

ユウガオの実がかんぴょうで、畑で育てていると夏の夕方に花を楽しめるのもいいなぁ。

着なくなった衣服のつぎはぎでつくられた「ちくちくぞうきん」も素敵でした。

わたしの祖母の時代には、ぞうきんは、着なくなった古い浴衣や着物をほどいてつくりました。ぞうきん掛けをしながら、あっこれはおばあちゃんの着物だった布と、ただのぞうきんなのに、なぜだかいとおしくおもったのをいまでも覚えています。(p.162)

うちにも、相方がぼくの着古したズボンでつくってくれたぞうきんがあります。自分のズボンなのでおばあちゃんの着物のようにはいとおしくなれませんが、やっぱり愛着が違います。

ぼくも自分でも縫い物ができるようになりたいのですが、手指を使いすぎて無理できないのでいずれそのうち…。

「ぐるりをみつめる」という章にもインスピレーションをいただきました。「まいにちのくらしを、うつくしくしよう。」から始まります。これは最近の課題ですが、なかなか難しいものです! 「ときどきぐるりをみつめて、うつくしいなあと感じるこころがたいせつです。」とのことで、たしかに…。「ときどき」というのがポイントかもしれません。毎日の暮らしがあわただしいときはぐるりをみつめている暇がありませんが、ときどき、意識的に作業を休止して、ゆったりとした心持ちでぐるりを見つめたいものです。

最後の章「くらしの自給自足」も、丸ごと引用したいくらいなのですが、一部ご紹介すると、畑で自給自足すると、家庭が生産する場にかわる、という話がありました。多くの人が教えられてきたのは、家庭は消費する場で、工場が生産の場だということなのだけど。そういえば、小学校でそんなようなことを教わったような…。教わっていなくても、現代社会では一般的にはそうなっています。工場で生産されたものをお金を支払って買ってきて、家庭で消費する。消費するのが楽しみなわけだから、たくさん買えたほうが幸せで、お金がたくさんあれば幸せ、という考えになりがちです。

でも、ほんまにそれが幸せかいな?と疑問をもちはじめた人も一方では増えてきているように見えます。

「家庭を生産の場にする」という早川ゆみさんのフレーズは、暮らしや人生を豊かで幸せなものにしていくインスピレーションが得られるいい表現だなぁと思いました。

家庭は消費するところ、休むところで、仕事や生産活動は家庭の外でするもの…というのがここ数十年の一般的な考え方でしょうか…だから、家庭で何かをつくっても、それを換金しなければ「生産活動」や「仕事」とはあまりみなされず、「趣味」ということにされてしまいがちですが、買う代わりに自分でつくっているのだから、堂々たる「生産活動」であり「仕事」だと思います。

とにかく、読んでいると、身体を動かして何かつくりたくなる、楽しい一冊でした。


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by 硲 允(about me)