夏の終わりの田んぼ


水を入れず、陸稲として育てているハッピーヒル。今年も元気に成長しています。


水を入れないということは、おそらく水田以上に、草がたくさん生えてきます。それを、鎌で刈っていく必要があります。手間も時間もかかるので、水が豊富な日本でわざわざ陸稲を育てる人はめったにいません。ぼくも水田をしようと思っていたのですが、お米づくりを始めた最初の年に畦塗りが間に合わず、仕方なく水を入れずに育てたところ、問題なく育って美味しいお米ができたので、以来、この方法を続けています。

汚染されていないきれいな水が流れているなら水田もいいなぁと思いますが、除草剤や生活排水、工業排水などが流れこんでいる可能性のある水を引くくらいなら、雨水だけのほうが安心だというのもあります(雨水も汚染されていますが…)。


ハッピーヒルは陸にも強い品種のようで、2年目以降はこの環境になり、近所の水田の稲と変わらないくらいの大きさに育つようになりました。お隣の田んぼでお米を育てている方が、「株太いのぉ!」と驚かれていたこともあります。陸稲は連作できないというのが定説のようですが、うちは同じ田んぼで今年6年目、何の問題もなく育っています。雑草を適度に生やしているのがいいのかもしれません。


最近は花盛り。稲の花盛りといっても、地味といえば地味ですが、可憐な小さな白い花が咲きます。花が咲いている間は、むやみに田んぼに立ち入らないほうがいいそうですが、草刈りがそれまでに間に合わなかったので、なるべく稲に触れないようにそっと入って草刈りをしています。


いろんな草が稲と同じかそれ以上の背丈に育っていましたが、その中でもたくましく育っていました。稲だけを残して草刈りしたあとはすっきりとした心地になります。


陸稲だと、同じ場所で野菜を育てることもできます。稲と同じ田んぼ(畑)で、ミニトマト、ゴーヤ、ナス、ヘチマ、かぼちゃ、ツルムラサキ、里芋などを育ててみました。稲の間の草刈りの途中、喉が乾いたりお腹がへったりしたら、ミニトマトをぱくり。人間は植物のおかげで動けているということを実感します。

真夏の畑仕事は暑すぎて早朝と夕方だけでしたが、最近は真っ昼間も畑仕事ができる日が増えてきて、秋だなぁという感じがします。


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by 硲 允(about me)