稲の脱穀後に活躍する「ふるい」と、お米好きのハトの話。

田んぼで育った稲を千歯扱きで少しずつ脱穀中。稲刈りは終わったけれど、脱穀は手作業だとなかなか時間がかかる。


千歯扱きで脱穀すると、一粒ずつにばらけたお米のほかに、一緒に落ちたわらが混ざったり、穂のままでばらけていないお米があったりで、そこからさらに、藁を取り除いたり、穂のままのお米を一粒ずつにしたりする必要があり、その作業に時間がかかる。

前までは手で藁を除いていたが、千歯扱きをヤフオクで買ったときに付いてきたふるいを使うと、ずいぶん作業がはかどることがわかった。


大きな藁を取り除いたあと、ふるいに乗せ、左右に振ると、藁や実の詰まっていないお米など、軽いものが上のほうに集まってくるので、選り分けやすい。

このとき、穂のままになったお米も上のほうに一緒に来るので(軽い藁に引っかかって持ち上げられているように見える)、これは藁と一緒に取り除いてしまわず、一旦、両手の掌で揉むようにしてほぐす。その後、再びふるいを左右に振り、上に集まってきた、取り除いてもいい藁や実の詰まっていないお米だけを指先でつまんで除ける。

ふるいを使うと、この作業のスピードが数倍(もしかすると数十倍)にアップした!

そんな作業をしている斜め後ろの木の上にハトのカップルが置物のようにじっとしているのを相方が見つけた。


写真ではちょっと見づらいけど、何とも可愛い顔をしている。


実のあまり詰まっていないお米でも、ハトの食事にはなるかもしれない。それに、実の詰まっているお米もある程度は落としてしまっている。地面にこぼしたお米を食べたくて、ぼくらが作業を終えてどこかへ行くのを待っているらしい。何時間も同じ場所でじっと待っていた。

日が暮れて、脱穀した後の稲わらを田んぼに返しに行って、庭に戻ったときも、まだ同じ場所にいた。田んぼに行ってもすぐに戻ってくるのを知っていたのだろう。その日はもう暗くなってしまい、あんなに待っていたのに、ハトたちがお米にありつけたかどうかはわからなかった。

翌朝、前日にふるいの作業をした場所をチェックしてみると、実がなくなったもみ殻がたくさんあり、どうやらハトたちが食べたようだった。あれだけ気長に待っていてくれていたから、食べることができてよかったなぁと思った。

後日、廊下の窓から外を見た相方が、同じハトたちを見つけた。梯子に掛けた稲が一束風で落ちていて、それを二羽で美味しそうにつついていた。


「落ちたのはいいけど、干してるのは食べんといてよ」、とハトたちに言い聞かせているので、文句は言えなかった。


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by 硲 允(about me)
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