「毎日がときめく片づけの魔法」(近藤麻理恵 著)を読んで、「片づけ祭り」を始めた。

今年に入って、「片付け」に日々取り組んでいる。

今まで片付けをせず、片付けを甘く見ていた。やろうと思えば簡単にできると思っていたが、片付けは奥が深い。長年片付けに取り組まれてきた方たちの考え方やメソッドをいろいろと参考にさせていただいている。

「片付けコンサルタント」として有名なこんまりさん(近藤麻理恵さん)の本を最近3冊読んだ。こんまりさんは、幼稚園の頃から主婦雑誌を愛読し、小学生のときには整理整頓係を務め、子どもの頃から家事や片づけに関心を持ち、大学生の頃から片付けコンサルティング業を開始されたという。

こんまりさんの本には、片付けのハウツー的なことだけではなく、片付けを通じて得られた、生き方や人生についてのいろいろな学びやヒントが書かれている。一つのことを追求していると、生き方や人生の根本的なところに行き当たるものなのだろう、と思わされる。それはどんなことにも当てはまるのかもしれない、と思ったが、片付けというのは特に、人生を大きく変える力をもった行為なのだと、ぼく自身片付けを始めて感じるようになった。

最初に読んだのは、「毎日がときめく片づけの魔法」。



この本では、最初のほうのページで、片付けの目的について強調されている。

片づけの目的は、ひたらすらモノを減らすことでも、たんにスッキリした空間で暮らすことでもありません。ときめく毎日を過ごすこと、そして、ときめく人生を手に入れること。これこそが片づけで得られる最大の効果だということを、思い出してください」(p. 16)

ときめくモノを残し、ときめかないモノを手放すことを通じて、「選択する力」「決断する力」「行動する力」が身につき、自分に自信ができるのです」(プロローグ)

何のために片付けをし、片付けをしたことでどんな人間になり、どんな人生を送りたいのかを思い描いていなければ、要らないモノを捨てまくったのはいいものの、殺風景な部屋の中で片付けに取りつかれ、モノを減らすことに執着し、毎日収納のことばかり考えていても楽しくないだろうと想像する。

こんまりさんは、片付けをスタートする前に、一切の制限なく、自分にとっての理想の暮らしを考える(思い描く)ことをオススメしている。

片づけの方法については、人によっていろんなメソッドが提唱されているが、こんまりさんは、「一気に、短期に、完璧に」行うことを勧め、これを「片づけ祭り」と呼んでいる。一気に片付けることで、意識の変化を劇的に起こすことができ、二度と元の散らかった状態に戻りたくなくなるという(こんまりさんの片づけレッスンを受けた人のほぼ100%が、その後リバウンドすることがないらしい)。

片づけの具体的な方法としては、まずは「捨てる」を終わらせるのだという。捨てるかどうかは、「触ったときにときめくかどうか」で判断する、というのがこんまり流。「これは後々必要になることがあるだろうか?」などとついつい頭だけで考えがちだけど、迷ったときこそ、「ときめき」の度合いを意識すると、判断がつきやすくなると、やってみて感じた。

「捨てる」にも順番があり、部屋ごと、引き出しごと、といった場所ごとではなく、カテゴリーごとに進めるべきだとアドバイスされている。その順番は、衣類→本類→書類→小物類→思い出の品。この順番で「モノを選び抜く」作業をしていくことで、「ときめき感度」を上げていくことができるという。思い出の品は、捨てるかどうかを判断するのが一番難しく、「ときめき感度」が上がった最後に行うといいらしい。

次に、捨てたあとの収納は極限までシンプルにし、あらゆるモノの定位置を決めるという。そして、使ったモノはもとの定位置に戻す。

メソッドは極めてシンプル。

捨てるかどうか、「モノを見極める作業」と「収納すぐ作業」を完璧に分けることが肝心、とアドバイスされていて、これを心掛けるだけでも片づけのスピードがすいぶん違ってくる。

やってみると、「捨てる」の段階で、ずいぶんスッキリする。「ときめき」で判断すると、今まで捨てられなかったものも捨てられることが増え、これからの人生で役立てていけそうにないものを清算することができ、ますますスッキリする。

収納は一通り捨ててからなので、ひとまずカテゴリーごとに段ボール箱に入れて収納しているが、その段階でも、モノの居場所が以前よりはっきりし、使いやすくなり、暮らしがだいぶ快適になってきた。

片づけは億劫なものだと思っていたけれど、やり始めると楽しい。数日休むと再開するのに腰が重くなるので、毎日、少しでも片づけを進めるように心がけている。やり始めると楽しくなってきて、ちょっとでも進むと達成感がある。身の回りがスッキリして、暮らしの快適さや効率がアップするので、さらに片付けたくなる、という好循環。

「片づけ祭り」は、終わらせる日を決めるのが重要だという。「一気に、短期」ということだけど、ぼくの場合は散らかったものが多すぎるので、期限は来年の春に決めた。しばらくは片づけに集中しよう。「片づけ」という楽しみが増えた。どうしてもっと早くこの楽しさに気付かなかったのだろうと思うくらい、片づけは楽しい。生きている間に気付けてよかった。


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by 硲 允(about me)
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