海塩や水道水に含まれるマイクロプラスチック。プラスチックに頼らない暮らしへ


現代社会の人間は日々、プラスチックを食べながら生きているようだ。

世界の海水から採取される食用塩のほぼすべてに微細なマイクロプラスチックが含まれていることが複数の研究で判明しているらしい。スペインの調査においても、すべての食塩からペットボトル原料のポリエチレンとテレフタレートが検出されたという。(参考サイト:一般社団法人 環境金融研究機構

現代社会では、日常生活のあちこちでプラスチックが使われている。使ったあとや不要になったときは、プラスチックゴミとして出せば、目の前から消えて、それで済んだ気になってしまいやすいが、自分が生み出したプラスチックごみは、微細なマイクロプラスチックとなり、知らず知らずのうちに自分の元に戻ってきて、人間の体内を含めてこの世界を循環している。

水道水にもプラスチック繊維が含まれていることが多々あるし、洗濯機で1回洗濯すると、70万本ものプラスチック繊維が環境中に放出されるという調査結果もあるらしい(参考サイト:一般社団法人 環境金融研究機構)。

体内に入ったプラスチックはどうなるのだろう? 人間には体内に入った不要なものを排出する力があり、プラスチックも排出できると思うが、許容量を超えたプラスチックが病気を引き起こすことがないとも限らないし、排出するにも体に余計な負担がかかるはず。

地球規模の大きな問題で、一個人にできることは限られているが、一人ひとりの選択が世の中を変えていく。

プラスチックごみだらけでもOK、というのも一つの選択で、それも個人の自由だけど、プラスチックごみのないきれいな地球にしていきたい、と選択するなら、まず手軽に始められるのは、日常でなるべくプラスチック製品を買わない・使わないこと。

ペットボトルやビニール袋は便利で、ついついお世話になってしまいがちだけど、水筒やマイボトルに飲み物を持ち歩いたり、マイバックを持って出かけることで、使用量をずいぶん削減できる。海外ではペットボトルやビニール袋の使用を禁止する動きが進んでいて、日本もいずれはそうなるだろう。

「昔の人間は、ペットボトルとかビニール袋とかを使い捨てにして、ずいぶん地球を汚してくれたものだ」
「まあまあ、その時はそれが便利でそれしかないと思って使っていたんだろう」
「便利、快適、なんて言って、目先のことばかり考えていてはダメだ。海も、畑も、森も、あちこちマイクロプラスチックだらけ。あとから掃除する人のことを考えてほしいもんだ。うちの畑のマイクロプラスチック、除去してもらうのにいくらかかったと思ってるんだ。除去してもらったと思ったら、また飛んできて、きりがない」
「全部きれいにするには、あと何世代かかかるだろうね。私たちも未来の世代からそんなふうに非難されないように、利口にならんとね」

なんていう会話が将来、繰り広げられるかもしれない。


【関連記事】

by 硲 允(about me)