年明け、近所のショッピングモールに行くと、近くの席に座った小さな女の子が脅されていた。
犯罪の香りのする書き出しになってしまったが、お父さんが脅し口調で娘さんに飲みたいものをたずねているシーンだった。
女の子はずっとふてくされていた。気に入らないことがいろいろあるんだろう。楽しいことがあまりないんだろう。
お父さんはおっかない顔で女の子を問い詰め、女の子はそのうち涙目になっていた。
女の子がもう一人と、男の子とお母さんとおばあちゃんもいた。
飲み物を買ってきたお父さんは暗い顔でスマートフォンをすりすりし、子どもたちも別の1台のスマートフォンを一緒にのぞき込んでいた。
子どもたちはお母さんにはなついているようだった。お母さんは元気そうだった。お父さんにもやさしい顔を向けていた。
勝手な想像だけど、お父さんは仕事に苦しめられているのだろうと思った。普段、毎日のように仕事に出かけていると、子どもたちと接する時間が十分にとれない。おっかない口調や顔で自分も誰かに脅されているかもしれない。それでも、まちで暮らしていくには、お金を稼ぎに仕事に出かけなければならない・・・。お母さんもそれは仕方のないことだと考え、苦しみながらお金を稼いできてくれるお父さんを尊敬し、感謝しているかもしれない。
新年開けた、休日のショッピングモール。A Happy New Yearのはずが、Unhappyそうな人たちの姿をあちこちで見かけた。店内の装飾や商品や音楽だけがいつもよりきらびやかだった。
どうすれば、楽しく生きられる人がもっと増えるのか。年明けの混んだときにショッピングモールに行くのはよしておこうかと思っていたけれど、行ってみていろいろ考えるきっかけになった。