「好きなことを仕事にする」という本をつくったり、「好きなことカフェ」というイベントを企画したりしている。
「好きなこと」と聞いて思い浮かべることは人それぞれで、だらだらして怠けるのが好き、という人もいるかもしれない。それで仕事で仕事になったらそんなうまい話はない、と思うかもしれない。
ひとことで表すとしたら、ということで「好きなこと」という言葉を選んだけれど、ぼくが思っているのは、「好きでやりがいを感じられて、生き甲斐にも感じられるようなこと」ということ。
「これを思いっきりできたから、死んでも後悔はない」というようなこと。「それに打ち込むことで、自分の人生を思う存分に充実させることができたと感じられる」ようなこと。
いくらテレビを見るのが「好き」だとしても、見たい番組を全部見たから、もうこれで死んで後悔はない、と思う人は少ないと思う。
いくら寝るのが「好き」でも、毎日思う存分寝て過ごしたからこれで自分の人生は最高に充実していた、と感じる人も少ないと思う。
テレビが好き、寝るのが好きなのがわるいとは思わないし、ぼく自身も昔はテレビが好きだったし、今でも寝るのが好きだけど、テレビをだらだら見た後は時間をムダにしてしまったような気がしたし、いくら寝るのが好きでもあまり寝続けると逆に疲れてくる。
「好きなこと」が見つけづらいのは、現代社会では「好きなこと」が軽視されすぎているからかもしれない。学校に入ると、学校の成績が最優先で、「好きなこと」は勉強の妨げにならない程度にほどほどにしておくようにあちこちから圧力をかけられる。「好きなこと」を仕事にできるのはほんの一握りの人だけだから、趣味の程度にしておけと言われる。
「好きなこと」が見つかって、もっとできるようになろうと思ってどこかに習いにいくと、型を押し付けられ、心ではなく上っ面で評価され、誰かと比べられるうちに、「好き」な気持ちが薄れていくこともありがち。
みんなが好きなことを社会から、誰かから、自分から取り戻せば、この世の中はもっと面白くなるのではないかと思う。
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