「第41回全国育樹祭」に参加。森林ボランティア代表として「誓いの言葉」を述べる


2017年11月19日(日)、香川県の満濃池森林公園で「第41回全国育樹祭」が開催された。

全国育樹祭は、1977年に大分県で開催されて以来、毎年、どこかの都道府県で開催されてきた。主催は、公益社団法人国土緑化推進機構と開催県。

今年で41回目を迎える香川県での全国育樹祭には、皇太子殿下と雅子妃殿下が出席され、1988年に皇后両陛下がこの公園内に植樹されたヒノキとクロガネモチの枝打ちや施肥などをされた。


厳重な警備態勢で、参加者は事前に名前や住所を申し出、当日、IDカードや身分証明書などがないと立ち入れないようになっていた。会場とは別の集合場所からバスで移動。危険物はもちろん、水筒やペットボトルも持ち込み禁止で、持ち物はあらかじめ渡された透明のビニール袋にすべて入れ、金属探知機のゲートを通された。

「育樹」という言葉は森林ボランティアに関わり出してから初めて聞いたが、今回のイベントでは要するに「施肥」のこと。県内外から育樹活動に参加された方たちは、ボランティアのスタッフらが木々の周りに予め掘った穴に肥料を与えたらしい。その作業自体は、準備時間を含めないと5分くらいで終わったそうな。

全国育樹祭はセレモニーの要素が強い。 式典の内容は、皇太子殿下と雅子妃殿下によるお手入れの他、皇太子殿下のおことば、緑化功労者表彰、緑の少年団の活動発表、バレエ・ダンス・バイオリンやインディアンフルートやサヌカイト(香川で採れる石の楽器)などの演奏といったアトラクションなど。

ぼくは森林ボランティア代表として、誓いの言葉を述べた。林業後継者代表、林業担い手代表との3人でそれぞれの誓いの言葉を発表した。代表としての言葉で、個人的な考えや想いを述べるわけではないのでぼくが自分で考えのではないけれど、読み上げた言葉は以下。

県土が狭い香川県では、森林は身近な自然環境として、かけがえのない財産であり、みんなで守り、育てていくことが必要です。私たち森林ボランティアは、「森を育てる豊かな暮らし」を実践するため、これからも、多くの仲間たちとともに、森林の大切さを伝え、森づくり活動に取り組んでいくことを誓います。

「森を育てる豊かな暮らし」というのが、広がりがあっていいなと思った。どんな暮らしをすれば森が元気に育つのだろう? 暮らしの排水で水を汚してもいけないし、空気をきれいに保つのも大事。森林破壊に加担するような商品やサービスを利用しない、石油資源を使った商品よりも間伐材を使った商品を選ぶ…など、いろんなことが考えられる。森林ボランティアの活動では、森に入って手入れをするが、森に入らずに森を育てることにつながる活動だってある。とはいえ、森に入ると、森が好きになり、森をもっと大事にしたくなる。森に直接関わることで、森を通じた仲間ができる。信頼し合える仲間がいれば、森の活動はもっと楽しくなるし、一人でするよりも無理なく続けていきやすい。森の手入れは、すぐに結果が出るものではない。何十年、何世代もかけて育てていくもの。慌ただしい日常から離れて森に身を置くことで、見えてくることや、感じられることがある。樹々に囲まれていると、みんないい顔になる。森は人をやさしくし、元気にし、活力を与えてくれる。森を育てているようで、人間も森に育てられている。そんなことを思った。


式典の前後には、太鼓や獅子舞、踊りなどの伝統芸能のアトラクションもあり、あまり見ることができなかったけれど、巨大なお神輿は迫力があった。


風が冷たく、真冬のような一日だった。パフォーマンスをされる方たちは薄着で気の毒になるくらいだったけれど、情熱的なパフォーマンスで寒さを乗り越えていた。客席の後方で、県内5校の高校生たちが吹奏楽を演奏してくれていて、生演奏はやっぱりいいなぁと思った。


記念品の一部。香川産のヒノキを使った「組手(くで)」のコースターに、香川県まんのう町のシンボル木である「かりん」を使った化粧水、まんのう町で育ったひまわりの種を絞った「まんのうひまわりオイル」。ひまわりオイルは、今日のために友人が何千本も手作業で搾ったらしい。

数千人が参加するこれだけ大きなイベントの舞台裏には、何千人もの方たちの膨大な時間とエネルギーが投入されている。当日の式典自体はあっという間に終わったが、その膨大さに思いを馳せながら帰路に就いた。

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by 硲 允(about me)
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