徳島県神山町の峠でミツマタを発見。


徳島県神山町の峠で、黄色いぼんぼりのような花の咲く木が道沿いに植えられていて、なんだろうと思っていたら、どうやらミツマタらしいということがわかり、次に通るときによく観察してみたらやっぱりミツマタだった。


森の中にも自生している。


白と黄色の花がぽっと明るく浮かび上がる。



なじみのない木だと思ったけど、日本で暮らしている人なら誰でも手になじみがあるようだ。ミツマタはお札の原料として使われている。

現在ではネパールなど日本国外の原料が多く使用されているようだけど、日本産のミツマタも使われているらしい。

日本特用林産振興会のウェブサイトに、ミツマタの国内での収穫量の推移が掲載されている。1965年には3,120トン(黒皮換算)生産されていたが、2004年には571トンにまで減っている。

ネパールでの大地震により、ネパール産のミツマタの輸入がストップして国立印刷局が紙幣の製造に困ったこともあるらしい (日本経済のカギを握る?紙幣の原料、夜久野のミツマタ栽培 / ちーびず)。それを知って、ミツマタの栽培を開始された地域の取り組みがこの記事では紹介されている。

ミツマタはシカの食害対策として山林に植えられることもあるらしい(徳島・那賀をミツマタの産地に 植樹から3年で初収穫 / 徳島新聞)。この記事によると、ミツマタは植樹してから、紙の生産に使える皮を収穫できるようになるまで3年かかり、白皮の出荷価格は30キロ当たり9万円程度とのこと。体制を整えればビジネスとして成立するのかもしれない。

ちなみに、日本の紙幣にはミツマタのような丈夫な素材が使われているが、それでも寿命は、1万円札で4~5年、頻繁に使われる千円札や五千円札で1~2年程度らしい(日本銀行による)。千円札や五千円札の寿命がそんなに短いとは意外だった。


by 硲 允(about me)