人間のチューニング。自分にしっくりくる自分でいるために

ギターの弦の音を調整するときにチューナーという道具を使う。その弦本来の音より高すぎるのか低すぎるのかを記号や光で教えてくれる。音を本来の高さに合わせることを「チューニング」という。

人間も、いる場所や一緒にいる人に合わせて、多かれ少なかれ自分を「チューニング」している。ちょっといいヤツになったり、ちょっとワルいヤツになったり、ちょっと真面目なヤツになったり、ちょっとふざけたヤツになったりする。

ギターは誰かにペグ(つまみ)を回してもらわないと自分ではチューニングできないけど、人間は自分自身を自分でチューニングできる。いつの間にかチューニングが狂っていた、ということもあるけれど、気づいたなら、自分が一番心地よく、自分が一番気に入っている自分にチューニングしなおせる。

自分のチューニングを意識していなくて、チューニングが変わりまくったり狂いっぱなしでも自分で気づいていない、というのはあやうい状態かもしれない。

自分に一番しっくりくるチューニングを知るには、一度、その状態を自分で体感してみないとわからない。今のところこれかな、というチューニング状態を経験したなら、その状態をよく覚えておくと、またその状態にチューニングしやすい。

人間用のチューナーというのはどこを探しても売っていないので、チューナ代わりになるものを用意しておくと役立つかもしれない。音楽かもしれないし、本かもしれないし、人かもしれないし、お気に入りの場所かもしれない。

ギターは弾き始める前にチューニングするのと同様に、人間も一日の始まりにチューニングすると一日中、調子よく過ごしやすい。



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by 硲 允(about me)