香川に移住して4年目。鳥と仲良くなってきた。


香川に移住して、この春でもう4年目。

だんだん、庭や畑にいる鳥たちとの距離が縮まってきた。

早起きして庭に出る日が続いていたある日、寝坊して遅く目を覚ますと、ガラス障子が少し開いた隙間から、外にいるハトが心配そうな様子でこっちを見ていた。ぼくが起きたのを確認すると、すぐにどこかへ飛んでいった。

玄関の戸をガラガラと開けて外に出ると、庭で鳥たちが遊んでいることが多い。冬の朝は、前日の夕方に庭で火を焚いた後の灰がまだ暖かいので、そこで鳥が暖をとっていることがある。

ある日、庭木を伐採するためにチェーンソーを使うと、大きな音が恐かったらしく、鳥たちが悲痛な声を上げてどこかへ飛び去ってしまった。怖がってうちの辺りにはもう寄りつかなくなってしまったのではないかと心配したけれど、翌日には何事もなかったかのように戻ってきて、その後、チェーンソーを使っても恐がる様子を見せなくなった。木があまりに密に茂り過ぎているよりも、適度に空間があったほうが鳥たちも居心地がいいらしく、剪定した木々にとまってうれしそうに鳴いていた。チェーンソーで木を全部伐ってしまうわけではないことをどうやらわかってくれたらしい。

庭で見かける鳥は、ハト、スズメ、ウグイス、メジロ、シロハラ、コゲラ、ヒバリ、トンビ、カラスなど(見ても名前の知らない鳥もいる)。最近はヤマガラの鳴き声も聞こえるようになった。引っ越してきたときよりもいろんな鳥が訪れるようになってきた。

カラスが家の屋根の上で跳ねたり、トンビをいじめたりするので、相方がよく、わるさをしないように言って聞かせている。トンビをいじめているときに注意したらすぐにやめたらしく、カラスは人間の言葉がよくわかるらしい。ゴミ袋に入ったゴミをつついてまき散らすカラスに言って聞かせたら、しないようになったという話が前にSNSで流れてきていた。

庭のスイバがあまり増えると困るから、相方が種をつけたスイバを刈って燃やす場所の近くに置いておくと、いつの間にかなくなっていることがあるという。「鳥が食べるんとちがうん」とぼくが言うと、窓の外から「チュチュチュン!」という大きな鳴き声が聞こえた。偶然とは思えないほど、ぴったりのタイミングで会話に参加してくることがある。

鳥たちは人間がすることをよく観察している。畑で普段しないような珍しい作業をしていると、電線に鳥たちが一列に並んでこっちを観察していることがよくある。

最近、畑仕事をしていると、近くの電線にとまってこっちを向いてきれいな歌声でずっと歌ってくれている小鳥がいる。応援歌を歌ってくれているように聞こえる。

香川に来て驚いたのは、コサギがあちこちにいること。最近、近所の川岸によくとまっていて、夕方、畑仕事の帰りに出くわす。コサギはこわがりで、人間が近づいてきた気配を察知するとすぐに飛び去ってしまうけれど、慣れてきたのか、昨日は近くまで行って見ていても平気そうで、顔をくるりとこっちに向けた。「もう暗いのにはよ帰りなぁよ」という感じで、橋の下に姿を消した。ぼくらも同じ方向に歩いて行った。

そういえば、ツグミを助けたこともあった。家の中にいるとき、何かがガラス窓にぶつかる音がして、びっくりして外に見に行ったらツグミが脳しんとうを起こしていた。ガラスがあるのが見えなかったらしい。藁を敷いてあたたかくしたところに寝かせ、水と小さくしたパンを置いておいた。しばらくするといなくなっていたので、復活して飛んでいったようだった。

鳥たちのいる暮らしは楽しい。


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by 硲 允(about me)
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