先日、友人が海をわたって遊びに来てくれた。香川に来てから、友人と過ごす時間が豊かになったなぁと、相方と話した。
東京で暮らしていた頃、友人と会うとなると、空気のわるい人混みの街なかを混雑した電車で移動し、駅やカフェで待ち合わせ。休日はカフェも人だらけで、入りたいカフェが満員のこともある。長時間居座るわけにもいかないので、ある程度時間が経ったら、次の場所へ移動。カフェは好きだけど、混雑したカフェは落ち着かない。
夜まで街でゆっくりしていると、帰りは通勤帰りの満員電車に巻き込まれ、移動だけで疲れ、後味がわるくなる。
東京では、お互いの家に遊びに行くということはほとんどなかった。ぼくが住んでいた府中のアパートに来てもらっても何も面白いことがないし、仕事机と食卓とベッドがごっちゃになったワンルームでは落ち着かない・・・。
香川に来てからは、友人たちにうちに遊びに来てもらうことが増えた。
最近だと、天気のいい日は、庭で剪定枝を燃やして火を炊いてご飯とスープを炊き、外で食事をしながら話し、畑を案内し、その間におき火で焼き芋を焼いておやつに食べる、というような過ごし方が多い。
焚き火を囲むと気持ちが落ち着く。
季節の草花を眺め、味わい、陽気な鳥たちの声が聞こえてくる。時にはギターを弾いて歌ったり(東京のアパートだと近所から苦情が来た・・・)。
東京で外で半日過ごす場合、電車で移動してカフェでランチし、場所を移してお茶をし、夕食も食べて帰るとなると、財布がすぐに空っぽになったけれど、家で過ごして畑の野菜をメインにした料理をつくればほとんどお金もかからない。
そんなふうに過ごせる庭と田畑付きの家の家賃は、東京のアパートの10分の1くらい。東京でしかできない仕事があったり、家族がいたり、なんらかの理由で東京にいる必要があれば、高い家賃や狭苦しい環境も仕方がないけれど、ぼくの場合、基本的にどこででもできる仕事なので、早いところ移住してよかったと思う。香川に来たばかりの頃は、家や日常的に移動する場所から山や(建物に遮られない)大きな空や夕日が見えるだけで感動していた。
ちなみに、東京でも自然が残されている場所があるので、工夫すれば休日にお金を余計にかけずに自然の中で楽しめるけれど、東京にいた最後の頃は、放射能が気になっていよいよ逃げ場がなくなった思いがした。
都会から田舎へ移住して、人によっては必ずしもいいことばかりではないかもしれないけれど、ぼくの場合、東京から香川に移住して、日々感じる幸福感が何倍も大きくなった。残念なのは、東京で暮らす友人たちとすぐに会えなくなったことくらい。友人たちが時々遠くから会いに来てくれるのもまた、ここの暮らしでの大きな喜びになっている。
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by 硲 允(about me)
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