映画「ターシャ・テューダー ~静かな水の物語~」の感想。後悔のない人生の実例に学ぶ



ことでんのシネマチケットを使って、映画「ターシャ・テューダー ~静かな水の物語~」を観てきた。

タイトルになっているターシャ・テューダーとは、アメリカで生まれ育った画家であり絵本作家であり、美しいガーデンをつくりあげたことでも有名。


映画は、ターシャ・テューダーさんのバーモント州の住まいでの1年の暮らしを追ったドキュメンタリー。ガーデンの花々や、息子さんが建てた家屋、年期の入った暮らしの道具の映像が美しい。誕生日やクリスマスに、ガーデンで育った素材を使ったオリジナルの料理やお菓子を食べながら家族で祝う様子はとても幸せそうだった。

映画の撮影をしたとき、ターシャ・テューダーさんは91歳。息子さんやお孫さん夫婦に手伝ってもらいながら草取りをしたり、一人で何百個もの球根を植え付けたり、動き続けていた。何十年もかけてつくり上げてこられたガーデンは楽園のようだった。

ターシャ・テューダーさんの地に足がついた言葉は重みがあった。「夢は語るものではなく、努力して実現するもの」という言葉が印象に残っている。

ターシャ・テューダーさんのお孫さんのパートナーの方は、ガーデンを手伝いながら一緒に過ごす中で、ターシャ・テューダーさんの何をして何をしないかをはっきりと選び、やると決めたことはなんとしてもやりとげる意志の力に感銘を受けられた様子だった。ぼくも見習いたいと思い、このシーンをしっかりと記憶に刻んだ。

人生は短いのだから楽しまないと、という言葉が何度も繰り返された。短い人生だからこそ、常に今を楽しんできたという。とはいえ、常に忍耐(patience)の連続だったという。しかし、忍耐は報われる、と力強く話されていた。「忍耐が大事」というのは目新しいメッセージではないが、ターシャ・チューダーさんが語るその言葉には特別なものが宿っていた。

92歳で亡くなる少し前、息子さんとの会話で、ターシャ・チューダーさんは人生に何の後悔もないと話されていた。

どう生きれば何の後悔もない人生になるかは本人にしかわからないが、そう思える人生を生きた方から学ばせていただくことは多い。

香川では上映が終わってしまったけれど、上映中のところやこれから上映が始まる映画館もあるようです。




by 硲 允(about me)
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