「野の花えほん 春と夏の花」という絵本を前に読んで、とてもよかった。
その続編である秋と冬のバージョンも最近読んだ。
野の花えほん 秋と冬の花(前田まゆみ 作)
草花の絵が、やさしくて丁寧。見ていていい気持ちになる。
登場する野の花は、昼顔、つゆくさ、洋種山午房(ようしゅやまごぼう)、山萩(やまはぎ)、すすき、すべりひゆ、など。
それぞれの植物の特徴や名前の由来など、詳しい説明もあって図鑑としても充実している。薄い本だけど、内容がずいぶん詰まっている。
ぼくは、食べ方や暮らしでの活用方法に特に目が行く。
葛(くず)から繊維を取って布がつくれる、というのを聞いたことがあり、この本にも書かれていた。読んだ人がやってみたければ実践できるように、詳しく説明してくれている。土に穴を掘り、すすきの束とビニールシートをかぶせて2~3日置いて表皮をくさらせるなど、なかなか手間がかかるようだけど、面白そう。家の改修などが落ち着いたら、そのうち試してみたい。
イグサ科の多年草である藺(い)は、茎が畳表に使われるほか、茎の中の芯(髄)は昔、明かりに使われたらしい。藺の芯はスポンジ質になっていて、なたね油などにつけると火が灯るという。そのため、「燈心草(とうしんそう)」とも呼ばれるらしい。燈心の明かりを頼りに、文机に向かって筆で何かを書いているクマのイラストが可愛い。藺は湿地に自生しているらしいけれど、その辺に生えているのもなのだろうか…?
藤袴(ふじばかま)の葉や花を日陰で乾燥させてお風呂に入れるとかゆみ止めの効果がある、というのも書かれていて、ぼくは毎年夏になるとあせもに悩まされるので気になった。
フヂバカマ(藤袴 蘭草) H230906 posted by (C)OHMY
スベリヒユの食べ方も紹介されている。
スベリヒユ posted by (C)*karinko*
スベリヒユは、東京の小さな畑で自然農を始めた頃、畑に生えてきたのを茹でて食べたことがある。独特の食感で、味にクセはあまりなく、食べやすかった(しょっちゅう食べるものではないと思ったけれど…)。山形では「ひょう」と呼ばれてよく食べられるらしい。真夏に摘んで干したものを「ひょう干し」と呼び、保存しておき、食べるときに水でもどして竹輪や人参と一緒に煮て正月料理にするらしい。畑の野菜が少なくなる時期に食べる乾物として用意しておくといいかもしれないと思った。
面白い情報がたくさん載っていて、大人も子どもも一緒に楽しめる絵本だと思う。子どもへのプレゼントにもよさそう。ぼくは子どもの頃、野の花に全く興味を示さなかったが、こんな絵本があったら、気になった植物を求めて野原や公園に探検に出掛けたかもしれない。
【関連記事】
by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto)
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草花の絵が、やさしくて丁寧。見ていていい気持ちになる。
登場する野の花は、昼顔、つゆくさ、洋種山午房(ようしゅやまごぼう)、山萩(やまはぎ)、すすき、すべりひゆ、など。
それぞれの植物の特徴や名前の由来など、詳しい説明もあって図鑑としても充実している。薄い本だけど、内容がずいぶん詰まっている。
ぼくは、食べ方や暮らしでの活用方法に特に目が行く。
葛(くず)から繊維を取って布がつくれる、というのを聞いたことがあり、この本にも書かれていた。読んだ人がやってみたければ実践できるように、詳しく説明してくれている。土に穴を掘り、すすきの束とビニールシートをかぶせて2~3日置いて表皮をくさらせるなど、なかなか手間がかかるようだけど、面白そう。家の改修などが落ち着いたら、そのうち試してみたい。
イグサ科の多年草である藺(い)は、茎が畳表に使われるほか、茎の中の芯(髄)は昔、明かりに使われたらしい。藺の芯はスポンジ質になっていて、なたね油などにつけると火が灯るという。そのため、「燈心草(とうしんそう)」とも呼ばれるらしい。燈心の明かりを頼りに、文机に向かって筆で何かを書いているクマのイラストが可愛い。藺は湿地に自生しているらしいけれど、その辺に生えているのもなのだろうか…?
藤袴(ふじばかま)の葉や花を日陰で乾燥させてお風呂に入れるとかゆみ止めの効果がある、というのも書かれていて、ぼくは毎年夏になるとあせもに悩まされるので気になった。
フヂバカマ(藤袴 蘭草) H230906 posted by (C)OHMY
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スベリヒユ posted by (C)*karinko*
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面白い情報がたくさん載っていて、大人も子どもも一緒に楽しめる絵本だと思う。子どもへのプレゼントにもよさそう。ぼくは子どもの頃、野の花に全く興味を示さなかったが、こんな絵本があったら、気になった植物を求めて野原や公園に探検に出掛けたかもしれない。
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