高松の春日水神市場で相方が見つけて買ってきてくれた「ハチおじさんのはちみつ」。
「はちみつ」というのものは、どうやってつくられているかほとんど知ることもなく身近にあるものですが、一概に「はちみつ」といっても生産方法は様々です。大量生産のものは、抗生剤や農薬を使用したり給餌したりしていることが多いようで、本当に安心していただけるはちみつは稀な存在です。
そんななか、「ハチおじさんのはちみつ」は、抗生剤・農薬を一切使用せず、給餌もせず、蜜蜂の生き抜く力を信頼し、自然の中で自由にまかせてハチミツを造り上げているそうです。
採蜜には、一般的には遠心分離機というものが使用されるようですが、「ハチおじさんのはちみつ」では「垂れみつ」という技法を用い、約10日間かけて、はちみつが引力で垂れ落ちてくるのを待つそうです。酵素や栄養素を守るために、採蜜後も非加熱で、まさに生きたはちみつです。
瓶のフタに「2年熟成物」と書かれています。どういうことだろうと思っていたら、春日水神市場のブログで説明されていました。
ミツバチは、春から秋に約半年かけてさまざまな花から蜜を採取し、一般的には、ミツバチが蜜を集めきる秋にはちみつを絞るそうです。ところが、「ハチおじさんのはちみつ」は、一年目の秋には採蜜せず、翌年の6月~7月に採蜜しているとのこと。その間にミツバチが逃げたりするリスクがあるわけですが、あえてそのリスクをとったうえで、ゆっくりと熟成させています。
「2年熟成」という文字を見たときは、採蜜させてから熟成させているのだと思ったのですが、巣箱の中で熟成させていたとは…。この技法で採蜜している養蜂家は、全国でもめったにいないそうです。
買ってきてすぐに食べず、大事にとっておいたのですが、あるとき、はちみつが漏れているのに気づきました。やっぱり生きたはちみつです。発酵して瓶からあふれ出たのでしょうか。
瓶のふたを開けて、さらにびっくり。
上のほうが結晶化していて、その結晶の様子が、今まで見たことのあるはちみつの結晶とは異なっていました。
一口なめて、再び驚き。薬草というかハーブというか、いかにも薬効がありそうなフルーティな香りが広がりました。ぼくは甘すぎるはちみつを食べると歯茎が反応することがあるのですが、このはちみつは、しっかりとした甘さがあるのに大丈夫でした。
うちでは砂糖を使わないので、はちみつをよく食べます。飲みものやおやつなどの甘み付け用のものと、疲れたときなどに一匙ずつなめる用のものを2種類、常に用意しています。「ハチおじさんのはちみつ」は、後者に仲間入り。一匙で身体の奥まで満たされるような貴重なはちみつです。
【関連記事】
by 硲 允(about me)