「料理大好き小学生がフランスの台所で教わったこと」(ケイタ )を読んで。

「料理大好き小学生がフランスの台所で教わったこと」(ケイタ 著)という本を楽しく読んだ。



著者は、長野県の山の中で暮らす(当時)小学6年生。農業の手伝いにボランティアで来ていて知り合った友人たちを訪ねながら、フランスに行って料理を学ぶお話。

写真がたくさん載っていて、フランスの食のことを知れて興味深かった。

フランス料理は、朝・昼・晩、どれも豪華なものだと思っていたのに、実際に行ってみたら全然違ったという。昼食がメインで何皿も食べるけれど、朝食と夕食はパンやチーズなどの軽いもので済ませることが多かったとのこと。

日本では一般的に夕食に一番たくさん食べることが多いと思うけれど、昼食がメインのほうが、体には負担が少なそう。

著者のケイタさんは、1歳1ヶ月のときに、「野菜を包丁で切りたい」という訴えを身振りで必死に表現したという。そうした芽を摘まずに育てていけば、こんなに輝くのだということを目の当たりにして感動した。

母親のハヤシヨーコさんは、あとがきでこう書いている。

私は息子3人を育てていますが、どの子にも料理だけでなく、掃除も洗濯も興味を持てばやってもらいました。どんなに幼くても、本人がやりたがるタイミングを見逃さず、「安全確保をするだけで、口出しと手助けは最低限に」と心がけた結果、3人とも暮らしに必要な家事ができるようになりました。今では私が忙しいときや寝込んだときに、代わりに料理を作ってくれる頼もしい3人に成長しました。(p. 126)

森の活動などで、小さな子どもたちと過ごしていると、子どもたちはけっこうなんでもやりたがる。安全確保は必要で、忍耐が必要なときもあるけれど、自分がやりたいと思ったことをやると、子どもは生き生きと輝く。それは子どもに限らないけれど、子どもは親や周りの人に制限されると、やりたいことがどうしてもできないことにやってしまいやすいし、やりたかったことがやりたくないことになったり、やりたかったことすら忘れてしまうのはとてももったいないことだと思う。

一見、食や料理の本だけど、本屋や図書館の子育てコーナーにもあったらいい本だと思った。