手で書きたくなる本

「美しい痕跡 手書きへの讃歌」(フランチェスカ・ビアゼットン 著、萱野有美 訳)



図書館で目に留まり、借りてきて読んだ。

読んでいると、手書きで何か書きたくなる本。

毎日のように、ブログを書いている。書いてはいるが、手でペンを握って書くという行為と、指先でキーボードを打つという行為とでは、頭の働きも、心の動きも案外違ってくる。たまに手書きで文章を書くとそれがよくわかる。

この本を読んでいると、こんな一節があり、思わず付箋を貼った。

私たちはいま、速さという誘惑に身を任せ、質や唯一性、物語といったものを犠牲にしている。(p. 26)

デジタルを活用すると、たしかに速さは得られるが、一方で、犠牲になっているものも多い。デジタルをほどよく活用するのはいいが、アナログから離れてしまうのはあまりにもったいないと思う。