香川に来てから森林活動を始めて約2年半。手入れの遅れた人工林でヒノキを間伐して、その木をそのまま森に置いておくことが多いのですが、植林されてその場所で年月をかけて育った木とその後も大事に関わっていければいいなぁという思いもあり、間伐したヒノキでスプーンをつくってみました。
スプーンづくりには前から興味があったけれど、実際につくるのは初めて。大きさを考えて、森で上の写真のような状態にチェンソーで切ってきました。フリーハンドでスプーンの輪郭を描きます。
用意した道具は、小刀と鑿(のみ)と彫刻刀。
予想したよりもスルスルとノミで削っていけます。ヒノキのいい香り。削る感触も心地いい。
先のくぼみを彫刻刀で掘っていきました。どれくらいの深さがいいのかよくわからず、少しずつ様子を見ながら。
スプーンの裏側ってどんな線を描いていただろう・・・普段あまり気にしていないので、いざ自分でつくるとなると迷います。相方が家じゅうのスプーンを持ってきてくれて、参考にしました。
まだガビガビですが、だいぶスプーンの形になってきました。
少しずつ削って形を整えていきます。
削るのはこれで完了。一作目にしては、予想以上に形が整いました。
やすりで磨くと、ますます美しい木肌が姿を現しました。普段、チェンソーやノコギリで伐った切り口ばかり見ているので新鮮です。
なんともやさしい色合い。いくら見ていても飽きてきません。
普段料理で使っているオーガニックのオリーブオイルで仕上げ。いい感じの艶がでてきました。
写真の上のような状態からこんなスプーンになるとは、自分でもびっくり。スプーンを作るのはもっと難しいことだと思っていたけれど、根気さえあれば誰にでもできそうです。フリーハンドで線を引いて自分の感覚に任せて作れば、人それぞれの感性が表れるのも面白い。
早速このスプーンでシリアルを食べてみました。お椀(何でもお椀で食べています)への当たりや口当たりがやさしく、ヒノキの香りもよくて、使っていてうれしくなります。
削るのに4時間かかりましたが、休憩なしに、(ぼくにしては珍しく)お腹が空いたのも忘れて熱中していました。他にもいろんなスプーンや木の食器をつくっていきたくなっています。
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