東京のアパートで暮らしていた頃、毎日することといえばパソコン仕事かノートや原稿用紙に文章を書くか読書するか、そんなところだったけれど、香川に移住してから、暮らしのことだけでも季節ごとにやることが山のようにある。草刈りに種まき、庭木の手入れに、家の修理、あちこち片づけたり棚をつくったり・・・
3年前の春に引っ越してきた最初はそれがうれしくて、朝起きると「今日もやることいっぱいやー」と張り切っていたけれど、優先順位をつけて効率よく進めないと草刈りだけでも間に合わないことがわかってきた(最初の年は草刈り機を使わずにノコギリ鎌一本で草を刈っていたので特に)。
今年は、年初に相方と一緒に、年内に何をするかという計画表をつくった。「家」「庭」「畑」というカテゴリーごとに、何をしたいか項目を書き出し(「居間の壁に漆喰を塗る」「庭の岩や石を片づける」「野菜の作付け計画を立てる」など)、いつまでに終えるかを大ざっぱに春・夏・秋・冬で設定している。
冬の間は田畑が落ち着いているので、庭や家の仕事が進む。年明けから、庭木の剪定を一通り終え、畑の畝を整備し、網戸づくりも目途が立ってきた。
年初に立てた計画表は机の前のカレンダーの下に張り出していて、一つ終えるごとに丸をつける。一つずつ丸がついていくとなおさら達成感がある。小学校の夏休みを思い出す・・・ドリルをしたり習字の練習をした日に「○」をつけていった記憶がある。
そういう細々とした「自己管理」が嫌いな人もいると思うけれど、ぼくは油断すると自分を甘やかしがちなので、そういう仕掛けは有効らしい。
計画表をつくっていなかったら、怠けて今ほど仕事が進んでいなかったと思う。「こういうのつくるのは大事やなぁ。もっと前からやってたらよかった! でも、死ぬ前に気づいてよかったわ・・・」と相方に話した。
ちなみにぼくは10月生まれの天秤座で、「天秤座の君へ 天秤座の君が、もっと自由にもっと自分らしく生きるための31の方法」という本に、天秤座の人は「数値化する」といい、と書かれていて、「たしかにそうかも」と思ったことがある。
天秤座の君へ 天秤座の君が、もっと自由にもっと自分らしく生きるための31の方法(鏡リュウジ)
あまり細かく管理しすぎると気持ちが窮屈になってくるけれど、まずは大きな目標を描いて、そこに到着するためのプロセスを細分化し、具体的に何をする必要があって、自分が今どの地点にいるのかを把握しておくことは大事だと思う。
やりたいこと(やるべきこと、やらないといけないこと)がたくさんある場合、全体像がはっきりしていないと、そのごく一部分を終えても、まだ残りが膨大にあって状況が大して変わっていない気がしてあまり達成感が得られない、ということになりがち。一定の期間でできることは物理的に限られていることが多いので、膨大な全体のうち、いつまでに「これだけは必ず終える」という具体的な計画を立てておけば、それが全体のごく一部分であっても、やり終えたときに満足感が得やすいように思う。どうしたってそこまでは進めない先のことを「やらなきゃ、やらなきゃ」と考えていると、それだけで疲れてくる。いずれはこうしたい、という未来のビジョンを楽しく描きながら、今できる目の前の仕事を常に楽しんでいれば、いつでも楽しくしていられる。目の前の仕事があまり楽しくない場合、何か工夫したり考え方を変えたりすれば、少しでも楽しくする方法が見つかるかもしれない。
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by 硲 允(about me)
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