理想や希望を描くときには現状や実現可能性を無視する。「実現可能な方法」は後から考えればいい



今の自分自身や自分の暮らしに完全に満足している人というのはほとんどいないと思う。かといって、自分がどうなりたいか、できるならどんな暮らしや仕事をしたいかについて詳細に思い描き、そこに向かって具体的に行動をとっている人もほとんどいないのではないかと思う。

「現状」と「理想(希望)」をごちゃまぜにして考えてしまうと、思考がストップしてしまいやすい。現状に不満を抱えていて、そこから脱出しようという気力も残っていないと、理想に反発すら抱いてしまうことがあるようだ。誰かが理想を語るのを聞いて、「夢見がち」「脳内お花畑」「夢想家」などとバカにする。理想だけを大きく描いて、現状を見もせず、現状を変えるための行動をしなければそう呼ばれても仕方がないけれど、現状を変えるには、まずは理想を描かないことにはどこへ進んだらいいのかわからない。

理想や希望を思い描くときは、それが「可能かどうか」を同時に考えると思考がストップしてしまいやすい。実現可能性は脇に置いて、まずは自分の思い通りに自分の望むビジョンを描くのがいいと思う。その後で、「可能にする方法」を考えればいい。

「可能かどうか」を考えながらだと、どこまで理想や希望を描いていいのだろうと、可能そうな範囲で加減しながら描くことになる。中途半端な理想よりも、自分がこうだと思う最高の理想を描いたほうが気持ちいい。

その理想を実現するにはどうすればいいのかを考えるには、必然的に現状を分析する必要がでてくる。今あるものは何か、足りていないものは何か、変化させるべきものは何か・・・。全体を把握しながら、細部にも目を向ける。その理想を実現するには、どれくらいの期間がかかりそうか? ○○年以内にできることは何か? 今年できることは何か? 今月できることは何か?・・・と、期間を狭めていくと、最終的に、今日できることが見えてくる。

今日できるのは、小さな小さなことかもしれない。だけど、それが自分の思い描く大きな理想につながっていると思えば、小さな小さなことを一つずつ進めていくときの気持ちが違ってくる。いきなり大きな理想を実現することは無理でも、それに向けた小さなことを実現していくことはそう難しくない。難しいと感じる場合、もっと小さくしてみる。

理想がかなったらようやく幸せになる、と考えると、それまでの長い日々が焦りと苦悩の日々になってしまいやすい。大きな理想が実現するにはそれなりの時間がかかる。それまでの時間も楽しまないともったいない。理想に向けた小さな一つひとつをもっと楽しむ工夫をし、その一つひとつの過程にある楽しみや喜びを大事にしていきたい。


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by 硲 允(about me)
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