うちの中にはあちこちに種が転がっている。
台所の皿の上でさくらんぼの種がひからびていて、その横には芽を出して何日にもなるパイナップルのヘタが土に埋めてもらうのを待っている。相方はそれを見て気づいた。ぼくは「冬で終わっている」と。集めてため込むだけで、「循環させる」ことができていない。
その後、「春夏秋冬 土用で暮らす。: 五季でめぐる日本の暦(冨田 貴史、植松 良枝 著)」という本の立秋のページを相方が開いて見せてくれた。
蓄えたものの中で不要なものは排出し、必要なものを実りにしていく時期、というようなことが書かれていて、そんな秋にしたいと思った。
今は身の回りも頭の中もごちゃごちゃして整理されず、不要なものがため込まれている感じがする。整理されていないことがあり過ぎるから、目の前のものから手をつけるのではなく、まずは書き出した方がいいとの相方のアドバイス。どんな実をみのらせたいかを予め考えたほうがいいという。大きな実をみのらせたければ、多くのことに手を出しすぎると難しいし、小さい実をたくさんみのらせたければ物事をよくオーガナイズする必要がある。
植物にしても、いい実りをもたらそうと思えば、葉っぱや枝を整え、周りの草木や土壌も整えておく必要がある。肥料だけたくさん与えてあとはごちゃごちゃな状態にしておいてもいい実がならないのは、情報やモノをため込んでごちゃごちゃな状態ではたいしたアウトプットにつながらないのとよく似ている。
「実りの秋」というけれど、「整えて」こその実りだということを心に留めて、もう少し涼しくなったら(!)片付けに励みたい。
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by 硲 允(about me)
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