「涼風至」。夏の終わりに


8月2日から、夕方吹く風がひんやりとしてきた。日中の暑さは真夏と変わらないけれど、朝夕と夜は秋の気配を感じるようになった。


相方お手製のカレンダーを見ると、8月7日から「涼風至」とある。二十四節気と七十二候を意識しながら暮らすようになって数年、これらはずいぶん正確だと知った。このような暦をつくった人々は常に自然と共に暮らしていたのだろう。

今では真夏でもイオンに入れば涼風至る・・・。

ぼく自身、ここ数年で自然の循環に前よりも敏感になった。東京のアパートで暮らしていた頃は、植物とほとんど触れ合わず、見もせず、季節の変化は暑いか寒いかの違いくらいでしか感じていなかった。道端の畑で野菜が育っていても、食べる部分が見えていなければ何の野菜なのかほとんどわからなかった。

自然の循環や季節の変化に敏感になったほうが、人生、楽しい。その時期ごとに咲く花があり、鳴く虫や鳥がいて、見える景色があり、年中、一年ぶりの再会が続く。真夏の暑さとの再会はあまりうれしくないけれど、1年ぶりだから耐えられる。

東京のアパートの部屋は真夏は夜でも暑すぎてエアコン無しでは眠れなかったけれど、香川で借りている古民家は軒が深く隙間だらけだからか、夜寝づらいほど暑い日は少ない。自作の網戸は結局夏までに一か所にしか作れず、 まだ閉まったままの窓が多いので、来年の夏までに残りの網戸をつくって全部の窓を開け放てばもっと涼しく過ごせそう。




昨日は庭のセミが面白い声で鳴いていた。「ミンミンミンミン」までは普通だけど、最後に低い声で「ミーーーン」とうなる。セミもあまりの暑さで参っているのかもしれない。虫の声が賑やかな季節もあと少し。残暑を楽しみたい。


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by 硲 允(about me)
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