8月11日にさぬき市野外音楽広場テアトロンで開催されたスピッツの結成30周年ライブ(THIRTY30FIFTY50)に行ってきた。
スピッツがこの会場でライブを行うのは、20数年ぶりで2回目だという。会場の写真を見て、「もしかして」と思ったら、やっぱりそうだった。昔のライブビデオに収録されている「恋のうた」を演奏しているのがこの会場だった。このビデオは高校生の頃に夜な夜な何十回と見た。その後、自分が香川で暮らすことになり、この会場でスピッツのライブを聴くことになるとは思いもしなかった。
ちなみにその映像は今はビデオではなくDVDで販売されている。
ジャンボリー・デラックス~LIVE CHRONICLE 1991-2000~ [DVD]
テアトロンは、さぬき市の大串半島の先のほうにある。
駐車場が少ししかなく、シャトルバスが出る。歩きや自転車では厳しそうだったので、バスで行った。
芝生の広場にすごい行列ができていて、1時間以上並んだ。芝生の自由席で聴く人たちの中には、大きなクーラーボックスやレジャーシートを持ってきて、待ちきれずにビールを飲み始めている姿もあり、楽しげだった。
テアトロンの座席は石でできているので、マットがあると座りやすい。どこかで情報を仕入れたのか、前にも来たことがあるのか、マットの上に座っている用意のいい観客が多かった。
今回の曲目はシングル曲が中心だったけれど、ファンクラブの会員を対象にリクエスト曲を募ったらしく、なつかしの名曲も聴くことができた。スピッツの曲はどれも好きだけど、最近の曲が特に心に響く。
(スピッツが20数年前にテアトロンでライブをしたときの映像は、上のミュージックビデオでも0:30あたりで一瞬流れる)
さぬき市は、合併する前は志度(しど)町だった。スピッツが前回訪れたときは志度町だったらしい。志度町って響きがいいよね、ロックの香りがする、という話になった。いつも、地元の人が地元をもっと好きになれるような話をしてくれる。
スピッツのライブのお客さんはマナーがいい、という話をよく見聞きする。終演後、今風の格好をした若い男の人が、誰かが置いていった空き缶をひょいと拾っていった。背が高いのにしゃがむ動作が軽やかで、すたすたと階段を登っていった。その少し下でそれを見た女の人が、ゴミを拾った男の人のほうを指さしながら連れの女の人にそのことを話しているようだった。ゴミを散らかしてワルをするのがかっこいい、というのではなく、ゴミを拾うほうがかっこいい、という世界であってほしいと思う。スピッツのファンの間ではそういう世界観が共有されているような気もする。
帰り、グッズテントで、スピッツのサポートメンバーとして19年間キーボードを弾いてこられたクジヒロコさんの本を買った。
C階段で行こう!(クジヒロコ 著)
会場限定のブックカバーがついていて、イラストが可愛い。
表紙のイラストもクジヒロコさん作。絵もお上手だとは知らなかった。本を読むと、通われていた岩手県の小学校の校長先生が画家でもあり、毎朝5分間、全校生徒に絵をかかせていて、生徒たちの絵をかくレベルが高かったとのこと。子どもの頃の訓練は貴重で、そういう機会を与えるのが大人の大事な役割だなぁと思った。
ライブ終演後、バスに乗れるまで2時間くらいかかった。終電が心配だったけれど、ギリギリ間に合って家に着いたら夜中の12時だった。体は疲れているけれど気持ちが高ぶってすぐに寝る気になれず、ミックスナッツを食べながら、もらってきたフライヤーを眺め、蚊帳に入ったのは1時頃だった。今後の音楽活動のことをあれこれ考えながら眠りに就いた。
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by 硲 允(about me)
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