西製茶の「出雲国の紅茶」。復活させた日本の国産紅茶


子どもの頃、朝食はパンと紅茶のことが多かった。紅茶はストレートよりも、ミルクティかレモンティにするのが好きだった。渋みを中和する必要があったのかもしれない。西製茶所の「出雲国の紅茶」は、渋みが少ないので、ストレートでも美味しい。

この紅茶に渋みや苦みが少ないのは、一般的には緑茶用とされる茶葉を使っているためらしい。


緑茶と紅茶とウーロン茶は、発酵のさせ方が違う。蒸して発酵を止めると緑茶、完全に発酵させると紅茶、発酵を途中で止めるとウーロン茶になるらしい。


渋みや苦みの強い紅茶は、蒸らし過ぎると渋みや苦みが強すぎてミルクを入れないととても飲めないくらいになることがあるけれど、この紅茶はそういう心配が少ないので慌てなくていい。


ストレートで甘みをつけなくても美味しいけれど、頭が疲れて糖分を欲していたのでハチミツを入れた。ハチミツもよく合う。

子どもの頃から、何も考えずに外国の紅茶を飲んできた。普段飲む緑茶はたいてい日本産なのに、紅茶はなぜ外国産なのか疑問に思ったことすらなかった。「出雲の国産紅茶」のパッケージの説明によると、日本での紅茶づくりは、1874年(明治7年)に政府が率先して始めたらしい。その後、一時は盛んに生産されていたようだけど、1971年(昭和46年)の輸入自由化によって、国産紅茶のほとんどが市場から姿を消したとのこと。

西製茶所では、国産紅茶の復活を願い、試行錯誤を重ねて1985年から国産紅茶の生産を開始したらしい。日本の紅茶が飲めるのはありがたい。

西製茶所のウェブサイトにはこう書かれている。
日々の生活のためのお茶、だからこそ健康な土と茶葉から作って届けたい。
土への肥料分の投入を抑え、土と樹の力に任せて育てているとのこと。

特別な嗜好品ではなく、日々の生活で普通に飲んでもらいいとの想いが、値段設定からも感じられる。


西製茶所 出雲国の紅茶 100g


まだ飲んだことはないけれど、花粉症に効くといわれる「べにふうき」や、日本で開発された紅茶用茶樹品種だけど姿を消してまぼろしと呼ばれるようになった「べにひかり」の紅茶も販売されています。


西製茶所 出雲国のべにふうき紅茶 50g


西製茶所 出雲国のべにひかり紅茶 50g


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