森で間伐したばかりのヒノキでしゃもじを作る。粗削りで乾燥を待つのがポイント


香川の森で間伐したヒノキでしゃもじをつくってみた。上の写真は、チェーンソーでだいたいの形に切り取り、厚すぎたので鉈で半分に割ったところ。

あとは、鑿(のみ)や彫刻刀で気長に彫っていく。最初は羽子板みたいだったけれど、ある程度形を整えた時点で急にしゃもじらしくなるのが面白い。


以前、間伐したばかりのヒノキでスプーンをつくったことがあり、そのときに分かったのは、伐りたてのヒノキは水分をたくさん含んでいるので、完成後にすぐにカビが生えてきてしまうということ。カビが生えてきたらヤスリで磨き、しばらく経ってまた生えてきたらヤスリをかけ、というのを何度か繰り返していたらもう生えなくなった。

完全に乾燥させてから作れば、完成させたあとでカビが生えてくる可能性が低くなるけれど、木が硬くなって彫るのが大変になる。そこで、伐りたての柔らかいうちに粗く形を整えて、カビが生えてきたら少しずつ削り、そのうちカビが生えなくなったらきれいにヤスリがけするといいかもしれないと考えた。


粗削り完了。


裏はこんな感じ。

しゃもじは毎日使うものだけど、いざ自分でつくるとなると、形を覚えていなことを思い知らされる。ほうほう、ここはこんな曲線を描いていて、ご飯をよそいやすいように先は薄くなってるなぁ・・などと普段使っているものの形を改めて観察してみるのは面白い。スプーンのときもそうだったけれど、一度作ると、お店でいろんな形のを見て勉強するのも楽しくなる。

森で一日作業をしてくたくたに疲れていたのに、帰ってきて夢中でしゃもじを掘り続けてぐったりしたけれど、暮らしで必要なものを自分の手を動かして作るのは楽しい。


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by 硲 允(about me)
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