畑でヘチマを育てたのは今年が初めて。仏生山(高松市)の「へちま文庫」でいただいてきた種から育てた。
前に畑を案内した方に、ヘチマは何に使うんですか?ときかれたことがあり、そう言われてみると、何に使うというアテは特になく、ただ育ててみたいだけだった。
ヘチマはぐんぐん背が高くなり、支柱の高さでは間に合わず、折り返して地面を這い、畑から飛び出して道路にまで伸びていった。うちの畑は肥料分が少ないはずだけど、それでも平気そうな様子で立派に成長した。葉っぱが大きく日を遮るので、来年はグリーンカーテンにするのもよさそうだと思った。
ヘチマの活用法としては、「ヘチマ水」がよく知られている。ヘチマの茎を切って、そこから水分を得る。ヘチマが実に水分を送ろうとして水を吸い上げる、という話を聞いて、ヘチマをだましているようであまり気が進まなかったけれど、茎を切られたことをヘチマが気付かずに何リットルも水を送り続けることはないような気もした。とはいえ、それも自分に都合のいい言い訳のような気もした。
ヘチマは実が熟して自然に枯れるまで命を全うしたがっているようにも思えたが、ヘチマ水を試してみたかったので、結局、一つのヘチマからいただくことにした。
ヘチマ水を採るのは中秋の名月の日がいいらしく、ちょうどその日を選んだ。地上から50センチ~150センチくらいのところで、茎を切り、一升瓶などに地面から伸びたほうの茎を差しておく。
ほこりや虫などが入らないように、ぼろ布を巻いておいた。
午後に採取を開始し、翌日の朝に様子を見にいった。瓶の底のほうに少しだけへちま水がたまっていた。午後にもまた様子を見にいったが、その量は朝から変わらずの様子だった。ヘチマが最盛期ではなく、そろそろ生命の終盤に近付いているように見えたので、そのためかもしれない。ヘチマ水の採取を開始したのは雨が降った翌日だった。雨の後はヘチマ水がたくさん採種できるという話もあるが(成分が薄まるので雨の後は避けた方がいいとも言われていえる)、その割に少しだけだった。
布を巻いていてもほこりや虫が入ってしまっていたらしく、相方がコーヒーフィルターでろ過して火にかけてくれた。
まずは味見。
スタバでもらってしまったけれど使わなかったミニカップの出番。初めて飲むヘチマ水は、とろっとしてごく薄いカモミールのような味がした。一度にたくさん飲むものではないという感じがした。ネットで調べてみると、やはりたくさん飲むと、お腹がゆるくなる場合があると書かれていた。美肌や咳止めなどの効果があると言われている。
残りは枇杷の葉エキス(焼酎浸け)を加えて化粧水に。肌の炎症を抑えたり、あせもにも効果があるらしい。さっそく使ってみると、しっとりとしてよさそうだった。
茎を切られ、最後の力を振り絞って与えてくれたヘチマ水・・・感謝して大事に使いたい。
by 硲 允(about me)
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