10月22日に投開票された衆院選の結果が出た。
「ボク難突破解散」と揶揄された通り、森友学園と加計学園に関する国政私物化疑惑から逃れるように臨時国会の冒頭でいきなり解散した自民党は、解散前と同じ284議席を維持した。
責任逃れで解散した政権をなお、これだけの国民が支持し続けるとは、安倍自民党は「ウソ」と「ごまかし」だらけの政権運営にさらに自信を深めたに違いない。
希望の党は、235人の候補を立てたが、選挙前の57議席から50議席へと7議席減らした。民進党出身のリベラル派を「排除いたします」と宣言した「排除発言」の影響が大きかったとされている。今回の当選者の大半は民進党出身者が占める。民進党出身で当選したある人は、「小池(百合子)氏という重しをつけられて海に放り込まれ、必死になって当選した」と述べ、選挙後は小池氏の意向を尊重する必要はないと話しているという(衆院選:希望 誤算続き 小池氏「おごりがあった」 - 毎日新聞)。今後、当選した合流組が離党するとの見方もある。合流組は小池氏に踏み絵を踏まされた形だが、それに縛られず、自分の信念を貫いてほしい。
立憲民主党は55議席確保し、野党第一党となった。立憲民主党が登場したおかげで、各民進党議員が何を拠り所とし、自分の信念をどこまで貫く人間かを垣間見ることができた。枝野氏は、NHKの番組で「永田町の事情で政策や理念を揺るがしていると誤解されるような行動をとったら、いただいた期待に反することになる。そのことを最優先に行動したい」 と話し、民進党と再合流することを否定している。信念なき日和見主義者を簡単に取り込まず、結党の精神を貫き、日本に「立憲主義」と「民主主義」を取り戻す大きな勢力となっていくことを期待している。
自民党と公明党を合わせて、相変わらず3分の2議席以上を獲得し、憲法改正の発議が可能な状態になっている。国民を国家に従わせ、「戦争できる国」づくりが着々と進められているが、いつまでも好き放題させるわけにはいかない。
今回のような「ボク難解散選挙」ですら、自民党が解散前と同じだけの議席を獲得できるのは、メディアコントロールが大きな要因になっていると思う。マスメディアの情報だけに頼らず、自分で必要な情報を取りに行き、自分の頭と心を使って判断する国民が増えれば、政治の世界も変わっていくはず。そして、各個人がそれぞれの方法で自分の考えを発信していくことも大事だと思う。このブログでも政治関係の記事をもっと頻繁に書いていきたい。
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by 硲 允(about me)
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