革製品の修理店「SPHERES GATE(スフィアーズ・ゲート)」(高松市福岡町)へ。大事なものと永く付き合うのを助けてくれるお店


靴をはじめとする革製品を修理してくれるお店が高松にあります。ことでん片原町駅でレンタサイクルを借りて走ること約10分。「SPHERES GATE(スフィアーズ・ゲート)」の看板が見えてきました。


木の扉をノックして、お店の中へ。オーナーのお二人が笑顔で迎えてくれました。


手を動かして職人仕事を行う場所独特の活気と静けさが入り混じったような雰囲気がありつつ、外に向かって開かれているオープンな気配も感じられ、心地のいい空間です。


見たことのない機械がいろいろ。

今回は、靴底が減り、表面にも傷をつけてしまったBIRKENSTOCK(ビリケンシュトック)の革靴を持っていきました。


指先が窮屈でないのが気に入って東京のTHE NATURAL SHOE STOREで買い、特別なとき用のつもりが、履き心地がよくてスニーカー感覚で毎日履いていると、いつの間にか傷だらけになってしまい、改まった場には履いていけない感じに・・・。

とりあえず相談してみようと思って持っていくと、傷を直すことは可能で、擦り減った靴底も修理していただけるとのこと。後ろの内側の部分も破けていることに気が付き、ここも早めに直しておいたほうが長持ちするとのことで、修理をお願いしました。内側から革を当てるとのことで、サイズが窮屈になのではないかと思ってきいてみたら、サイズ感に変化が出るほどではないとのこと。

ブログ用に店内の写真撮影をお願いし、そこから話が広がり、オーナーのお二人から、お店を始めた経緯やお仕事への想いなど、興味深いお話をたくさん伺いました。
 
オーナーたちのお人柄にも惹かれ、いろんなお話をぼくだけでなく、いろんな方に聞いていただける機会をつくれたらと思い、2017年中に高松でお話会を開催する予定です。詳細が決まったらこのブログでもお知らせします。

「SPHERES GATE(スフィアーズ・ゲート)」のウェブサイトに掲載されている文章に、オーナーお二人の想いや考えが凝縮されているように思ったので、ご紹介したいと思います。

靴をはじめとした革製品は買った時がスタートであり、持ち主と共に成長し歩んでいくものです。大事にしながらも使い込む事が粋であり、それは決して新品の時のまま保存するというものではありません。履き皺や色の濃淡など表情を変えて洗練された雰囲気へと変化していくのです。
とはいえ、消耗する底材やその他のパーツは交換するタイミングがあります。これらを怠ってしまっては決して「良く使い込まれた」ものにはならず、ただの古いものへとなってしまいます。
ただただお金をかけていいものを買うというのではなく、手の届く範囲で上質なものを選び、ケアしてメンテナンスを施しながら大事に使うことが本当の豊かさへとつながるのではないかと思っています。
「これからも共に人生を歩んでいきたいのかどうか」
持ち主のその想いに寄り添いながら、我々のなし得る最高の技術をもってお直し致します。

ぼくの革靴はまさに、「ただの古いもの」になりかけていましたが、見事に蘇らせていただきました。


こんなにきれいになるとは。あの傷はどこへ行ったのだろう。


破れた内側にも革を当てて縫い付けてくれています。言われなければ、後から継ぎ足したとは分からないくらいです。


擦り減った靴底もきれいに復活。ぼくの場合、靴はいつも靴底から消耗させて穴をあけてしまうのですが、他の部分はまだほとんど傷んだように見えないのにもったいないなぁと思うことがよくあります。靴底のゴムの部分を越して穴をあけてしまうと修理が大変なようですが、ゴムの途中であれば何度でも修理できるそうです。スニーカーの修理例もあり、今度から穴をあけてしまう前に相談してみようと思っています。

安かろうわるかろうで、質に満足できず愛着のわかないものを使い捨てにするのではなく、思いを込めてつくられたものを大事に長く使い続ける暮らしをしていきたいものだと思います。自分で直せるものはなるべく自分で直したいですが、革靴をこれだけ美しく直すのはとても自分ではできず、しかも思いを込めて直していただけるお店が身近にあるのはありがたいことです。



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by 硲 允(about me)
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