なるべく地球を汚さない筆記用具は?鉛筆の材料や作られ方を調べてみる。

一番、地球を汚さない筆記用具は何だろう、と時々疑問に思うことがある。

最近は、PILOTのフリクション(FRIXION)というボールペンを気に入ってよく使っているが、インクがなくなった後の替え芯は燃えないゴミとなり、リサイクルしてくれるところも見当たらない(メーカーで引き取ってリサイクルしてくれるといいんだけど)。使い終えた替え芯は「破砕ゴミ」の袋に入れて処分しているが、おそらくゴミ処理場で埋め立てられている。


それに対し、鉛筆なら、最後まで使い切り、どうしても使えない残った部分は燃やしてしまえば、埋め立て地のゴミにはならない(燃やした灰は多少有害なものかもしれないが…)。

鉛筆のことが気になって、ちょっと調べてみた。

鉛筆の芯は何でできているのだろう? 調べてみたところ、黒鉛と粘土でできているらしい。「黒鉛」には「鉛(なまり)」という漢字が含まれているけれど、鉛ではなく、炭素でできていて石炭やダイヤモンドの仲間らしい。中国やブラジル、スリランカなどから輸入されているとのこと。

芯に使われる粘土は、ドイツやイギリスから輸入されているらしい。日本でも粘土はとれるが、鉛筆に適した粘土というものがあるそうな。

軸に使われる木は、日本製の鉛筆の場合、北米産のインセンスシダー(ヒノキ科)が使われることが多いようだ。日本鉛筆工業協同組合によると、インセンスシダーは1年間に50万立方メートル伐採され、90万立方メートル植林されているらしい。伐採している木は樹齢70年~80年の二世の木で、樹齢250年以上の一世の木は伐採していないとのこと。

木材鉛筆の世界最大のメーカーは、ドイツのファーバーカステル。なんと、毎年15万トンもの木材を使うらしい。そこで、ファーバーカステルは、ブラジルやコロンビアに植林地を所有し、自社で植林を行って環境や生物多様性に配慮しながら木材を確保しているとのこと。

一概に鉛筆といっても、いろいろある。


家にある鉛筆を出してきた。

トンボ鉛筆の「木物語」(写真の一番下)は、環境に配慮しているらしく、調べてみると、芯の黒鉛には、工場で副産物として出る「リサイクル黒鉛」を最大限に利用しているとのこと。軸の木は、普通なら捨ててしまう端材同士を「フィンガー・ジョイント」と呼ばれる技術によって接合して使用しているらしい。「木物語」の鉛筆をよく見てみると、たしかに接合した跡が見える。パッケージにも再生紙が利用されている。ビニールやプラスチック、埋め立てゴミが出ないのがいい。芯の濃さは、2B、B、HBの3種類(ちなみに、芯の濃さは、黒鉛と粘土の比率によって決まり、黒鉛が多いと芯が濃くて柔らかくなるらしい)。



いろいろ調べていると、ボールペンよりも鉛筆かな…という気がしてきて、調べを終えた後は、何を書くときも鉛筆ばかり使うようになった。


【関連記事】

by 硲 允(about me)
twitter (@HazamaMakoto