世界で進む、使い捨てプラスチック製品禁止の流れ。なくても快適に暮らせるはず

最近、使い捨てプラスチックをなくそう、というニュースや記事をよく目にする。

台湾も、使い捨てプラスチック製品を2030年までに全面禁止することを決めたらしい。その前段階として、使い捨てのストローやレジ袋、食器、コップを利用する場合の追加料金支払いを2025年に義務化するとのこと。

ぼくはビニール袋やプラスチック製品を使い捨てにするのが嫌いで、買い物をするときはなるべくビニール袋を断りカフェで冷たいドリンクを頼むときはプラスチックカップではなくグラスでに注いでもらえるようにお願いするなど、なるべく使い捨てを減らそうと試みていて、そういう人は増えてきていると思うけれど、外や街を出歩くと、相変わらず使い捨てのプラスチックごみだらけ。

時間に余裕がない現代社会の暮らしではプラスチック製品はたしかに便利なのかもしれない。うちの横を走る道路は、トラックがよく通り、いそがしい仕事の中、トラックの中で食べたらしきプラスチック容器入りのコンビニ弁当のごみをビニール袋に入れてよく投げ捨てられている(トラックだけではないと思うが…)。缶コーヒーの缶なども一緒に入っている。

家で弁当をつくって、箸と水筒を持っていけば、ごみは出ないし、健康にもいいだろうけれど、なかなかそんな余裕はないのだろう。長距離移動だと、家に帰る暇もない。トラックが駐車できるのは、コンビニや、大きな駐車場のある店に限られる。そんな店で買える食事といえば、たいてい使い捨てプラスチックが使われている。

街でサバイブするには使い捨てプラスチックが付きものだったけれど、さすがにあちこちの国で、プラスチックごみが放置できない問題になってきたのだろう。

2007年、米国サンフランシスコはプラスチックのレジ袋の使用を禁止した最初の都市となり、2014年には、ペットボトルを市の施設内で使うことを禁止している。2015年7月には、ハワイのホノルルで、使い捨てプラスチック袋の使用禁止が発表された。フランスでも、大手スーパーで配られていた使い捨てプラスチック袋(容量10リットル以下、厚さ50ミクロン以下のもの)の使用を禁止にしている。インドのカルナータカ州政府は、2016年3月に、プラスチックの使用を完全に禁止にしたらしい(参考記事:「世界各国6カ所でプラスチックが使用禁止に!」グリーンピース)。

日本でも、使い捨てプラスチックの使用が全面禁止になる日は近いかもしれない。

ぼくも何年か前までは平気で使い捨てにしていたけれど、なるべくごみを出さないように暮らしたほうが、気持ちがいいことに気付いた。ビニール袋をがさがさ鳴らして持ち歩くよりも、布の買い物バッグを持ち歩いたほうが気持ちいいし、飲み物もプラスチックカップで飲むよりもグラスや水筒で飲んだほうが美味しい(ストローも必要ない)。プラスチックのスプーンよりも木のスプーンで食べたほうが風味が損なわれない。

通販でモノを買うと、過剰なまでにプラスチック包装がされているが、リサイクル素材や、リサイクルの簡単な素材を使う工夫ができるはず。お店によっては、プラスチックを使わずに古新聞などを使ってシンプルな包装をしてくれて、それで問題なく届く。

容器包装プラスチックと燃えるゴミを分別していても、結局は一緒に燃やされている場合もある、という話を聞いたことがある。ゴミになった使い捨てプラスチックはどれくらいリサイクルされているのだろう?

庭仕事や畑仕事をしていると、昔のプラスチックごみやビニール袋が見つかることがある。ちょっと触れただけで粉々になり、つかんで捨てることもできなくなってしまい、「マイクロプラスチック」とはこういうことかぁと、思ったことがある。海には大量のマイクロプラスチックがあり、それを海の生きものたちが体に入れ、それを食べる人間にもとに返ってきている。使い捨てにして、その場では自分の元を離れてきれいになった気がしても、ゆくゆくは自分のもとに戻ってくる。こういうことは、ゴミに限らない話だと思う。

使い捨てプラスチックの使用を一気に禁止することで、一時的に多少の不便が生じるかもしれないが、そこから新たな創意工夫が生まれてくるはず。


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by 硲 允(about me)
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