和歌山に帰省したときによく立ち寄る「福島九頭(くず)神社」。
かつて、この辺りを流れる紀の川の支流が龍の頭のように見えたため「九頭」と名付けられたという。今ではこの辺りは住宅が並び、「ドブ」が流れるくらいのもので、残念ながら当時の面影は感じられない。
大学受験を控えた高校生の頃、ここで絵馬を書いた。普段、お参りに来てもいないくせにお願い事をするのもおこがましいと思い、合格祈願をするのではなく、受験に向けて努力することを絵馬で宣言した。弟がその絵馬をたまたま発見して面白がっていた。
元旦にはお焚き上げが行われ、和歌山で暮らしていた頃に何度か行った。
社殿の裏に、大きなクスノキがいる。さみしげな小さな森だけど、ここは空気が違う。木々による空気の浄化力を思い知らされる。
セミもいた。
かつてはこの辺りのお米もきれいな川の水で育っていたのだろう。
小さな森の大きなクスノキは、その変遷を見て、何を感じているのだろう。
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by 硲 允(about me)
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