ケロッグがグリホサート使用材料の廃止目指す。乾燥剤として使用されることも…

米国食品メーカーのケロッグ(Kellogg)が、オート麦や小麦製品の流通過程における除草剤「グリホサート」の使用を2025年までに段階的な廃止を目指す、というAFPの記事を読みました。

グリホサートは、発がん性や脳神経系、生殖機能の異常など、いろんな健康被害を引き起こす危険性が指摘されていて、世界保健機関(WHO)の外部研究機関「国際がん研究機関 (International Agency for Research on Cancer)」が、「ヒトに対して恐らく発がん性がある(警告レベル: probably)」としています。

グリホサートという名前はあまり知られていないかもしれませんが、グリホサートが主成分の除草剤「ラウンドアップ」はホームセンターなどで山積みになって売られています。畑や農地の畦、草の生える通路や道路で使われているのをよく見かけます。うちの近所でもあったかくなるとあちこちでドシドシ撒かれ、悪臭が漂い、喉がおかしくなり、困っています。

ケロッグというと、日本ではシリアルが有名でしょうか。記事によると、ケロッグの商品の材料を供給している一部の業者が、「特に小麦やオート麦の収穫前に数週間使用する乾燥剤」としてグリホサートを使用していたと説明した、とのことで、収穫前に「乾燥剤」として(!)、こんな除草剤を使用するとは、おそろしい話です。ケロッグの商品に限らず、よくあることなのだと思います。

グリホサートの健康被害をめぐる訴訟では、被害を訴える原告側の勝利が増えてきていて、さすがにまずい、という判断なのでしょう。ケロッグの最高サステナビリティ責任者(CSO)によると、「この問題について今後も引き続き科学的側面、規制、消費者の志向を積極的に注視していく」とのことで、呑気なものですが、「消費者の志向」というのが大事で、グリホサートを使った小麦やオート麦が入った商品なんて買わない、という人が増えれば、必然的に、そういう商品は市場から消えていかざるを得ません。健康被害の可能性があっても安ければいいや、という購買行動を続ける人が多数である限り、世の中の商品はなかなか安全なものへとシフトしていきにくいですが、一人ひとりの買い物の選択が、「チリも積もれば」で、お店の商品を変え、世の中を変えていく可能性も持っているのでしょう。病気になってからでは遅いので、企業や世の中が変わるのを待つのではなく、自分から先に変わるのが得策だと思います。


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by 硲 允(about me)