近所のホームセンターに行くと、除草剤(ラウンドアップ)がこれでもかというほど摘み上げられている。
ラウンドアップなどの除草剤の主成分であるグリホサートは、世界保健機関(WHO)の外部研究機関「国際がん研究機関 (International Agency for Research on Cancer)」によって、「ヒトに対して恐らく発がん性がある(警告レベル: probably)」と判断されている(2015年)。
商品の説明書きなどには、人体には無害だと書かれているので、危険性を知らずに気軽に使っている人も多いのだろう。上の写真のように、畑や敷地の一面にまいて真っ黄色になっているのを見るとぞっとする。
コープ自然派から届いた「Table(タブル)」というニュースレターに、「第12回GMOフリーゾーン全国交流集会 in さが」というイベントの報告記事があり、米国からゲストとして参加されたゼン・ハニーカットさん(Moms Across Americaの創設者)がグリホサートと健康の話をされたことが書かれていた。
それによると、米国では肥満(3人に1人)、学習障害(6人に1人)、ぜんそく(9人に1人)、食物アレルギー(12人に1人)、ADHD(10人に1人)など、子どもたちの54%が慢性疾患を抱えていて、その原因の1つとしてグリホサートの毒性が指摘されているとのこと。
米国の水道水からはヨーロッパの残留基準値を大きく上回る数値が出ているそうで、日本はどうなんだろう? 先日、近所の排水溝に生えた草に除草剤をかけている人を見掛けた。排水溝に入った除草剤が川に流れ、浄水場でろ過・殺菌されて自分の家の水道の蛇口から出てくるわけで、どれだけきれいになっているかはわからないけど、そんなことは想像もせず、目の前の草を枯らすことしか考えていないのだろう。
同じ記事で、食事をオーガニックのものだけに変えると、1週間で体内から農薬の90%、2週間で100%排除できると書かれていて、その研究の情報源は書かれていなかったけれど、人間がもつ毒素の排出力に希望を感じた。
ネットで調べてみると、「The Detox Project」(デトックス・プロジェクト)というのを見つけた。体内や食事から有毒な化学物質を排除しようという米国を拠点とするプロジェクトで、ここの調査でも、オーガニックの食事に2週間切り替えると体内から農薬のほとんどが排出されたことが示されている。
体内にグリホサートがどれくらい入ってしまっているかを調べる検査も予定していて、2017年の5月か6月頃に始まるらしい(このページでメールアドレスを入力すると、追って詳細の連絡が届くらしい。日本からも可能かどうかは不明)。
うちの近所は夏になるとグリホサートをまきまくるので、夏に調べてもらったら検出されるだろうけれど、オーガニック食品を食べていたらかなり排出されるというのは気持ちのうえで安心材料になった。夏にちょっとくらい吸い込んでしまっても、除草剤を使わない冬の間に完全に排出しよう。
デンマーク、オランダ、スリランカ、コロンビアなどではグリホサートの使用が禁止になっているけれど、EUでは2017年末まで使用許可が延長された。日本で使用禁止になるのも時間の問題だと思うけれど、早く禁止になってほしい。
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by 硲 允(about me)
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