ほんの10年くらい前までは、チェーン店の牛丼にコンビニの焼き肉弁当、ハンバーガーといった動物のお肉メインの外食ばかりしていましたが、少しずつ食を変えていき、気が付けば畑で育った野菜と玄米(あるいは三分づき)中心になりました。
食を変えるまでは、慢性的に疲れていて病気ばかりしていましたが、最近は風邪をひくこともなく、歯医者を除けばここ4~5年くらい病院に行っていません。そんなことを言うと、定期検診はどうしているんだと心配されそうですが、身体にちょっと不調が出るとすぐにわかるようになったと自分では思っていて、その感覚を信じることにしました。風邪の前ぶれのようなものを感じたら、葛湯を飲んであったかくして無理をせずによく寝ると風邪をひく前に治るというようなことが時々あります。外食が続くと体調が不安定になることもありますが、家で食事をして畑仕事をしてストレスのない日々を送っていると病気になる心配すら生まれてきません。
「自分もそんな食生活がしたいんだけど、なかなか難しくて・・・」と相談されることが時々あります。ジャンキーなものがどうしても食べたくなると。ぼく自身は、がんばって食を変えてきたというよりも、有機栽培・自然栽培の野菜に始まり、食べたいものに少しずつ切り替えていき、知ればおそろしく食べたくなくなった食をだんだん減らしてきただけなので、そういう悩みをどうすれば解決できるのかわからず役立つことが言えなかったのですが、一気に変えようとするから難しいのかもしれません。
食を変えたいときは、一気に変えようとせず、一つずつ簡単なところから始めるのがいいかもしれません。
たとえば・・・
- なるべく無農薬の野菜を選ぶ(無農薬の野菜をたくさん扱っている行きやすいお店を探す必要があります。近くになければ、宅配で毎週送ってもらうとラクです)
- よくわからないカタカナの材料が入った加工品は買わない
- 白米から玄米や分つき米に切り替える
- 白砂糖を黒糖に切り替える
ぼくは今では砂糖を食べると歯茎がはれてくるようになって、めったに食べなくなりましたが、前までは砂糖大好き人間で、甘いお菓子ばかり食べて白砂糖と果糖ブドウ糖液糖漬けの毎日でした。そんなものばかり食べていると、舌が麻痺していて野菜が本来持つ自然な甘みを感じることもできず、人工的な調味料の味にごまかされて素材を味わうこともなく、素材に感謝することもなく、気持ちも麻痺してつくってくれた人に感謝することもなく、ただお腹を満たしていました。
白砂糖を完全にやめるだけで(外食で避けるのは難しいですが)、1ヶ月もすればかなりの変化があるのではないかと思います。
舌が正常な感覚を取り戻せば、自然な食べものを無理なく欲するようになります。食を変え始めた頃、青山のカレー屋さんでカレーを食べると、舌がビリビリ痺れたようになったことがあり、驚いたことがあります。化学調味料を毎日食べていると、それが当たり前になって舌が反応しなくなるようですが、普段、不自然な食べものを避けていると、時々食べたときに身体がすぐに「お知らせ」をしてくれるようになります。
家でゆっくり料理をする余裕があるなら、土鍋でご飯を炊くのも、野生の感覚を取り戻すのに役立つかもしれません。ぼくは初めて土鍋でご飯を炊いたとき、ご飯が鍋で炊けるんだ、とちょっとした感動を覚えました。とはいえ、野生の感覚は失ってしまっていたようで、相方は上手に炊くのに、ぼくは何度も失敗してよくこがしてしまいました。土鍋でご飯をうまく炊くには、火加減や湯気の様子などを見て、だんだん香ばしくなってくる匂いをかいで、ぐつぐつ、パチパチいう音を聞いて・・・というように、自分の感覚をよく働かせる必要があります。ぼくは普段パソコンばかりして、そういう感覚がずいぶん衰えていたようです。そういう感覚は眠っていてもちょっと刺激してやれば呼び覚ますことができるようで、今では庭で火を焚いて土鍋ご飯を炊けるようになりました。
火を焚いたら警察や消防隊が飛んでくるような場所では難しいですが(うちにもお巡りさんが来たことがあります)、火を自由に焚ける田舎なら薪も豊富だろうし簡単です。燃料代はタダだし、テレビを観ているよりも火を見ているほうが楽しいです。
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