苦手だった虫が畑仕事と田舎暮らしで身近な存在になった


田舎暮らしには興味があるけれど虫が苦手で・・・という話をときどき聞く。


ぼくも都会で生まれ育ったので虫は苦手だった。子どもの頃、家の中でゴキブリが現れると逃げ回っていた。虫取りにも興味はなく、カエルすら触れなかった。

東京の府中市で8平方メートルの小さな畑を借りて初めて野菜づくりを始めたとき、まずは土の中を点検するためにスコップで穴を掘ってみると、大きなイモムシがごろごろ出てきた。「ひゃー」という感じでスコップでこわごわ移動させたのを思い出す(ちなみに、モズがやって来て大喜びでイモムシを次々に食べた)。

畑仕事をしていると、いろんな虫が現れる。テントウ虫、だんご虫、チョウ、トンボ、ハチ、いろんなイモムシ、ミミズ、カエル、アリ、ナメクジ、カマキリ、バッタ、コオロギ、カナブン、ナガメ、ヘビ・・・その他、名前の知らない虫もたくさんいる。畑を始めたばかりの頃、野菜づくりの本を見るといろんな虫が載っていて写真を見るだけでもぞっとしたけれど、香川に移住してから一年中畑仕事をしていると、どんな虫が出てきてもたいてい平気になった(急にマムシが現れるとひやっとするけれど・・・)。イモムシも素手で触れるようになった。

ずっと虫が苦手だったのに、身近になると案外すぐに慣れたのは意外だった。「食わず嫌い」ならぬ、「ふれ合わず嫌い」だったかもしれない。

とはいえ、未だに苦手なのはムカデさんたち。「ふれ合う」と刺されるおそれがあるので、距離を置いておく必要があり、向こうも出会うとすぐに逃げていくけれど、お互い望まずに接近してしまうことがある。去年、寝ている間に「急接近」して唇を刺された。5月に入ってからは、家の中にもときどき現れ、畑で見るよりも家の中で見るほうがさらにインパクトが大きい。彼ら(彼女ら)にも気を許せるときが来るのだろうか・・・?

最近は、部屋の中を大きなクモがいて、夜になると活発に動き始める。あまり近くに来られると困るけれど、部屋にいる小さな虫をいろいろ食べてくれそうで、居てくれる分には安心感がある。ヤモリも「家を守る」と書くだけあって、部屋の中や窓の外でいろんな虫を食べて家を守ってくれているように見える。


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by 硲 允(about me)
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