「暮しの手帖」(5世紀5号)に掲載されている、「わたしの手帖 星信郎さん 心の垣根をなくしたら」という特集が面白かった。
水彩画家である星信郎さんの言葉は、読んでいて心が落ち着いた。星さんは、「自由も大事だけど、僕はむしろ自然体が好きだね」と言います。
自然体でいる人は周りの人を自然体にさせる。ずっと自然体でいられるなら、それは自由であるということだろう。
周りと比べるよりも、自分の『遊び心』を大切にしたほうがいいと思うんだ。
というのもいいなぁ。
他人と比べ始めると、技術や能力的なことばかり気になるようになり、だんだん「遊び心」や楽しみが薄れていくものです。
星さんは、「いい絵は偶然の贈り物」だと言います。
きっとみんな経験してると思うよ。時たま出てくる偶然がうれしいから、いつまでも続けているんじゃないかな。
星さんの澄んだ言葉には、それ以上、コメントを加えるのがおこがましく野暮ったい気がしてきます。そんなことを思っていると、そうか、星さんは水彩画家だから、言葉も水彩画のようなのか…とまたまた野暮ったい感想が浮かんできて、困ったものです。
星さんはこのとき86歳。このように美しく年を重ねたいものだと思いました。