「御行場入口」。これは入ってみたくなる。一般の参拝者が入っていいものかちょっと躊躇したが、入ってみた。
入口を抜けてすぐのところに、大師の稚児像を祀る岩倉大師の洞穴があった。かつては行場のもっと上で祀られていたそうだが、上まで行くのが難しい人でもお参りできるようにここへ移したとのこと。
登嶺者の方へ:これより行場は当山の大霊域により飲食・危険行為は禁止です。とのこと。行場を歩くのは初めて。なかなか厳めしい雰囲気です。
岩に刻まれているのは、「目治篭彫不動尊(めなおしかごほりふどうそん)」。
明治の頃、ある石工が石が彫れなくなるくらい重い目の病にかかって困り果てていたが、ここ捨身ヶ嶽でお行に勤めたところ、目の病は日増しに回復し、やがて元通りに見えるようになったとのこと。感激した石工は、弘法大使へのお礼に、捨身ヶ嶽の岩の頂きから自分の乗った篭を吊るし、永い年月をかけてこの不動尊の彫り上げたといわれている。
岩場を登る。登るのも大変だが、登れる道をつくるのは比べものにならないほど大変だったと想像する。
岩場の頂き近くで祀られた
山頂付近は森になっていて、平坦な道がある。
ここが我拝師山の山頂(標高484メートル)。
草木が茂っていて山頂からはあまり景色が見えない。
大坂峠へと続いているが、自転車を取りに戻るのが大変になるので、引き返すことにした。
奥の院禅定の山門付近に、「有岡方面 程坂下山道」というのがあった。
出釈迦寺まで約2時間とのことで、登ってきたコースよりも時間がかかるが、この道はどうやら舗装されていない山道で、こっちのほうが面白そうだったのでここを下りた。
この道を歩く人は少ないようで、途中、笹が茂って道が分かりづらいところが何カ所もあった。
出釈迦寺までの所要時間が書かれていたので、出釈迦寺に続いているのかと思ったが、金刀比羅寄りの全然違う場所から下山した。香色山(こうしきさん)、筆ノ山(ふでのやま)の裾を廻って、ようやく出釈迦寺にたどり着いたときには日が傾いていた。
「zakkaカガラカン」に寄り、約1時間半自転車をこいで家に帰った。
by 硲 允(about me)
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