先日、善通寺五岳の里 市民集いの丘公園で開催された「香川ESDまつり」で、「つるのこ芋」という阿蘇高森町の伝統野菜を見つけて買ってきた。阿蘇の産直から直接仕入れて販売されていた。
ぼくは品種改変(「改良」とは呼びたくない)された野菜よりも、各地の伝統野菜に惹かれる。
F1種のこわさは、タネが危ない(野口勲 著)という本で知った。
「つるのこ芋」は、「石川早生長」の系統の在来種。阿蘇郡高森町には「高森田楽」という郷土料理があり、この「つるのこ芋」を田楽の串に刺して焼くらしい。高森田楽を出す飲食店と契約して栽培されていることが多いらしく、あまり一般には出回っていないようだ。
買ってきた「つるのこ芋」に入っていた説明書には、「きぬかつぎ」という食べ方が紹介されていた。水から茹でて皮をむき、塩や醤油をつけて食べるというシンプルな食べ方。
ちなみに、「つるのこ(鶴の子)芋」というのは、形が鶴の首に似ていることからそう呼ばれるらしい。
小さめで、味がぎゅっと詰まっていて、自然な甘みがあって美味しかった。
「きぬかつぎ」という呼び名の語源は、Wikipediaでこう説明されている。
サトイモの1/3程度の位置に包丁でぐるりと切れ目を入れて蒸し、中央で皮をつまむと1/3だけを残して皮がするりと剥け、若いマツタケのような外観になる。この一部に皮のついた様子を、平安時代の女性の衣装「衣被ぎ」(きぬかづき)になぞらえて名付けたものである。包丁で切れ目を入れなくてもすっと剥けたが、切れ目を入れておくのもよさそう。
「つるのこ芋」は、火山灰土の痩せた土地で育ち、一般の里いもよりサイズが小さく、収穫量も少ないらしい。その分、味や栄養分が凝縮されている感じがした。
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